命令網羅とは?めいれいもうら
命令網羅は、ホワイトボックステスト(プログラムの内部の作りを見ながら行うテスト)の網羅基準の一つで、プログラム中のすべての命令を少なくとも1回は実行するようにテストケースを用意する方法。網羅基準の中で最も緩く、必要なテストケースの数は少なくて済むが、条件の「偽」の側を一度も通らないままでも基準を満たしてしまう。試験では、流れ図を見て「命令網羅を満たすのに最低いくつのテストケースが要るか」を数えさせる問題と、判定条件網羅(分岐網羅。すべての分岐で真と偽の両方を通す)・条件網羅との強さの違いが問われる。
最終更新:2026-10-10
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テストのたびに思いついた入力を試すだけでは、一度も実行されていない命令が残り、そこに誤りが隠れたまま見過ごされることがあった。「少なくとも全部の命令を1回は動かす」という最低限の目標を決めれば、手をつけていない箇所を機械的に洗い出せる。その最も基本的な物差しが命令網羅である。
具体例
次の擬似言語の処理を考える。 if (x > 0) y ← 1 endif 入力 x=5 のテストを1件行うと、if の判定と y ← 1 の両方の命令が実行されるので、命令網羅はこの1件で満たされる。しかし x が0以下のとき(偽の側)は一度も試していない。判定条件網羅を満たすには x=−3 のような偽になるケースも加えて2件必要になる。
試験での引っ掛け
命令網羅を満たしても、分岐のすべての向き(真と偽)を通したことにはならない。else の無い if では、真の側を1回通れば全命令を実行できてしまうのが典型。「命令網羅は判定条件網羅より厳しい」は逆。また、命令網羅はプログラムの内部構造を見る基準なので、ブラックボックステストの技法(同値分割・限界値分析)と混同させる選択肢に注意。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問49(IPA)
流れ図で表される部分を命令網羅によってテストするとき,テストケースは少なくとも幾つ用意する必要があるか。
正解:2
要点:命令網羅は全命令を1回通ればよく分岐の全組合せは不要
命令網羅は、全ての命令を少なくとも1回実行できればよい基準である。この流れ図の命令はx=1、x=2、y=1、y=2の4つで、判定は2つが直列に並ぶ。a=0かつb=0のケースでx=1とy=1を、a≠0かつb≠0のケースでx=2とy=2を通せるので、テストケースは2つで足りる。
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問49(IPA)
単一の入り口をもち、入力項目を用いた複数の判断を含むプログラムのテストケースを設計する。命令網羅と判定条件網羅の関係のうち、適切なものはどれか。
正解:判定条件網羅を満足するならば、命令網羅も満足する。
要点:判定条件網羅は命令網羅より強く、満たせば命令網羅も満たす
判定条件網羅(分岐網羅)は、各判定の真と偽の両方を通るテストを用意する基準である。分岐の両側を通れば、その分岐に属する命令はすべて実行されるので、判定条件網羅を満たせば命令網羅も自動的に満たされる。逆は成り立たず、命令をすべて通っても偽側の分岐を通っていない場合があるため、判定条件網羅のほうが強い基準である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。