鍵交換とは?かぎこうかん
鍵交換とは、盗聴されている通信路の上で、双方だけが知る共通鍵を作り出す手順。互いに公開値を送り合い、自分の秘密値と組み合わせて同じ値へ到達する(ディフィー・ヘルマン)。鍵をあらかじめ配らずに暗号通信を始められ、接続ごとに一時鍵を作れば、後から長期鍵が漏れても過去の通信は復号できない(前方秘匿性)。
最終更新:2026-10-06
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共通鍵暗号は速いが、鍵を渡すところで詰まる。量産機器に同じ鍵を焼けば1台の解析で全数が破れ、個体別に焼けば製造工程と鍵管理の仕組みを抱え込む。公開してよい値だけをやり取りして同じ秘密へ到達する手順が生まれたことで、この配布の壁が消えた。TLSの接続確立で毎回行われているのがこれであり、IoT機器が現場で安全に通信を始められる前提になっている。
具体例
TLS 1.3では鍵交換方式がECDHE(楕円曲線ディフィー・ヘルマン一時鍵)に絞られ、接続ごとに新しい一時鍵を生成する。出荷時に個体別鍵を書き込めない安価なIoT端末でも、接続のたびに鍵を作れば通信路を暗号化できる。
試験での引っ掛け
鍵交換だけでは相手が誰かを確認できない——中間者が両側とそれぞれ鍵交換すれば気づけないため、署名や事前共有鍵による相手認証と組み合わせて初めて成立する。またディフィー・ヘルマンは鍵を共有するために計算する手順であって、鍵そのものを暗号化して送っているのではない点も混同されやすい。
関連用語
出た過去問
出典:令和4年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17(IPA)解説で登場
不特定多数の利用者に無料で開放されている公衆無線LANサービスのアクセスポイントと端末で利用される仕様として、Wi-Fi AllianceがはじめてEnhanc…
正解:端末でのパスワードの入力なしに、端末とアクセスポイントとの通信の暗号化が可能となる仕様
要点:Enhanced Openはパスワード不要のまま通信を暗号化する
Enhanced Openは、Wi-Fi AllianceがOWE(Opportunistic Wireless Encryption)を基に規定した仕組みで、パスワード入力のない開放型ネットワークのまま端末とアクセスポイント間の通信を個別に暗号化する。従来のオープンな公衆無線LANでは通信内容が平文で流れて盗聴されうるが、Enhanced Openでは鍵交換により端末ごとに異なる鍵が使われる。利用者にとっての接続手順は従来と変わらない点が特徴である。
出典:令和6年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(IPA)解説で登場
楕円曲線暗号に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:公開鍵暗号方式であり、TLSにも利用されている。
要点:楕円曲線暗号は短い鍵長で強度を得る公開鍵方式
楕円曲線暗号(ECC)は、楕円曲線上の離散対数問題の困難性に基づく公開鍵暗号方式である。RSAと比べて同等の安全性をより短い鍵長で実現できるため、計算資源や電力が限られる組込み機器と相性がよい。TLSの鍵交換(ECDHE(楕円曲線を使う使い捨て鍵の交換))や署名(ECDSA)として広く使われている。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。