クロックゲーティングとは?くろっくげーてぃんぐ
クロックゲーティングとは、使っていない回路ブロックへのクロック供給を止め、信号が遷移しないようにして動的消費電力を削る手法。電源もフリップフロップの内容も保たれたままなので、クロックを再供給すれば数サイクルで元の動作へ戻れる。論理としては許可信号とクロックの論理積だが、実装ではひげを出さない専用のゲーティングセルを使う。
最終更新:2026-10-06
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CMOS回路の動的消費電力はトグル率×容量×電圧の2乗×周波数で決まり、動いていないブロックでもクロックが届いていればクロックツリーとフリップフロップが毎サイクル充放電を続ける。電池駆動の機器では、この取りこぼしを潰すのが最も安く効く。低消費電力設計は削減量と復帰時間のトレードオフで段階が分かれており、この手法は復帰が速い側の入口にあたる。
具体例
NXPやSTのMCUは周辺機能ごとにクロック許可ビットを持ち、使わないSPIやADCへの供給を止められる。リセット直後は多くの周辺がクロック停止状態なので、初期化で許可ビットを立て忘れるとレジスタに書いても値が入らない。
試験での引っ掛け
リーク電流の削減と混同しない。クロックを止めても電源は入ったままなので漏れ電流は残る。電源そのものを落として漏れまで断つのがパワーゲーティングで、こちらはレジスタ内容が失われ、復帰にも時間がかかる。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
プロセッサの省電力技術の一つであるパワーゲーティングの説明として、適切なものはどれか。
正解:動作していない回路ブロックへの電源供給を遮断する。
要点:パワーゲーティングは未使用ブロックの電源を遮断する
パワーゲーティングは、使っていない回路ブロックへの電源供給そのものをスイッチで遮断し、動作電流だけでなくリーク電流も削減する省電力技術である。微細プロセスではリーク電流の比率が大きいため、クロックを止めるだけでは足りずこの手法が有効になる。ただし復帰時には電源の再投入と状態の復元が必要で、遷移に時間と電力がかかる点がクロックゲーティングとの違いである。
出典:令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14(IPA)解説で登場
組込みシステムに適用されるCPUの低消費電力化技術に関する説明として、適切なものはどれか。
正解:レジスタに供給するクロックがダイナミックな消費電力を増加させる要因の一つなので、不要なブロックへのクロックの供給を止めることによって低消費電力になる。
要点:クロックゲーティングは無駄な遷移を止め動的消費電力を削減
CMOS回路のダイナミックな消費電力は、信号が遷移するたびに生じる充放電で決まり、クロックが供給される限りレジスタなどは動作していなくても遷移を繰り返す。そこで使っていないブロックへのクロック供給を止めるクロックゲーティングを行えば、無駄な遷移がなくなり消費電力を減らせる。低消費電力化では、このダイナミック電力の削減と、電源遮断によるリーク電流の削減を使い分ける。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。