ステークホルダとは?すてーくほるだ
ステークホルダとは、プロジェクトや組織の活動に対して利害・関心・影響力をもつ個人や集団の総称で、プロジェクトマネジメントでは特定・分析・関与のさせ方までが管理対象になる。PMBOKでは関心度と影響力の二軸でマトリクスに置き、影響力が大きく関心も高い相手には密接に関与させ、低い相手は監視にとどめるといった具合に、関与度合いを設計する。要求の抜けや後工程での手戻りの多くは、承認権限をもつ相手や本番運用を担う相手を初期に洗い出せていないことに起因する。組織の文脈ではCSRやコーポレートガバナンスの議論の主語にもなる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
プロジェクトが終盤で崩れる原因の多くは、技術の難しさではなく「後から出てくる関係者」である。運用を引き継ぐ部門や承認権限を持つ役員を初期に呼んでいないと、完成間際に要求が追加され、手戻りと日程遅延がまとめて発生する。だからPMBOKでは関係者を洗い出すことを工程として独立させ、影響力と関心度で関与のさせ方まで設計する対象に位置づけている。全員に一律で時間を割く余裕はないという現実と、抜けが致命傷になるという現実を、両立させるための枠組みだと捉えるとよい。
具体例
セブン‐イレブンの発注システムを刷新するようなプロジェクトでは、要求を出す本部の商品部だけでなく、実際に端末を叩く店舗のスタッフ、運用を引き継ぐ情報システム部門、開発を担うベンダ、内部統制上のチェックをする監査部門が関係する。運用部門を要件定義に呼ばずに進めると、稼働直後の障害対応の役割が決まっておらず、リリース後に揉める。
試験での引っ掛け
ステークホルダとストックホルダ(株主)の包含関係が定番。加えてプロジェクト文脈では、顧客・スポンサー・利用部門だけを挙げて、運用保守の担当や規制当局、反対の立場をとる相手を落としがちである。関与させる度合いは全員一律ではなく、影響力と関心度で変える、という点まで書けると記述式に耐える。「なぜ早期に特定するのか」は、要求の抜けと承認の遅延がスケジュールに直結するからと言い切る。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問51(IPA)
あるプロジェクトのステークホルダとして,プロジェクトスポンサ,プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントオフィス及びプロジェクトマネジメントチームが存在す…
正解:プロジェクトマネジメントオフィス
要点:PMOは標準化・教育訓練・監視で組織横断的に支援する
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、個々のプロジェクトを直接率いる立場ではない。組織横断的にプロジェクトマネジメントの標準化を進め、教育訓練を行い、各プロジェクトの状況を監視・支援する役割を担う。これにより組織全体のマネジメント水準を底上げする。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問57(IPA)
経済産業省“情報セキュリティ監査基準 実施基準ガイドライン(Ver1.0)”における、情報セキュリティ対策の適切性に対して一定の保証を付与することを目的とする監…
正解:不特定多数の利害関係者の情報を取り扱う情報システムに対しては、保証型の監査を定期的に実施し、その結果を開示することが有用である。
要点:保証型監査は結果を開示して利害関係者の信頼を得るのに有用
保証型の監査は、対策が適切であることに一定の保証を与えるもので、その結果を開示すれば外部の利害関係者に対する信頼の裏付けになる。不特定多数の利害関係者の情報を扱うシステムでは、定期的に保証型監査を行って結果を示すことが有用である。保証型と助言型は監査要請者のニーズに応じて選ぶもので、順序が決まっていたり排他的だったりするものではない。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)
アジャイル開発を対象とした監査の着眼点として、システム管理基準(平成30年)に照らして、適切なものはどれか。
正解:業務システムの開発チームは、実装された機能について利害関係者へのデモンストレーションを実施し、参加者からフィードバックを得ていること
要点:アジャイル監査では反復ごとのデモとフィードバックを確認する
アジャイル開発では、短い反復ごとに動くソフトウェアを利害関係者に見せ、フィードバックを取り込んで次の反復に生かすことが要となる。監査でも、こうした反復的な確認とフィードバックの仕組みが実際に機能しているかが着眼点になる。工程完了基準に沿った逐次進行を求めるのはウォータフォール型の観点であり、アジャイルの評価軸ではない。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問66(IPA)解説で登場
"情報システム・モデル取引・契約書"によれば、要件定義工程を実施する際に、ユーザ企業がベンダと締結する契約の形態について適切なものはどれか。
正解:構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
要点:要件定義は成果物が未確定なので準委任契約が適する
要件定義工程は、これから作るシステムの機能を利用者と共に固めていく段階なので、着手時点では成果物の内容を具体的に確定できません。そのため、仕事の完成ではなく専門的な役務の提供を約束する準委任契約が適するとされています。仕様の決定権はあくまでユーザ側にあり、ステークホルダとの調整もユーザの責任範囲です。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問64(IPA)
共通フレーム2013によれば、要件定義プロセスで行うことはどれか。
正解:利害関係者のニーズの抽出
要点:要件定義プロセスは利害関係者のニーズを抽出し要件化する
共通フレーム2013の要件定義プロセスは、システムの利用者・運用者・発注者など利害関係者を識別し、そのニーズや要望を引き出して、システムに求められる要件として定義する工程である。システム化計画はより上流の企画プロセス、方式設計や詳細設計は後続の開発プロセスに位置付けられる。
出典・参考
公式シラバスの7 システム戦略 > 2. 要件定義 > (2) 要件定義に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。