NAND(否定論理積)とは?なんど
NAND(否定論理積)とは、論理積(AND)の結果を反転した演算で、入力がすべて1のときだけ0、それ以外は1になる。NAND1種類だけで否定・論理積・論理和のすべてを構成できる完全性(機能的完備性)を持つため、実際のICは内部をNANDで組むことが多い。真理値表と等価な論理式の対応が問われる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
論理回路を作る側から見ると、種類の違う素子を混ぜるほど製造も検証も面倒になる。1種類の素子だけであらゆる論理を組めるなら、設計・製造・故障解析をその素子に集中でき、歩留まりも改善できる。NANDとNORにはその完全性があり、これが実装の基本部品としてNANDが選ばれてきた理由である。応用情報では、ド・モルガンの法則による式変形と、与えられた回路図から真理値表を起こす計算として出る。
具体例
汎用ロジックICの74HC00は2入力NANDを4個収めた定番部品で、両入力を短絡すればNOT、複数個を組み合わせればAND・OR・XORも作れる。フラッシュメモリのNAND型という呼び名も、記憶セルをNAND回路と同じ形に直列接続する構造に由来する。
試験での引っ掛け
NANDは「ANDを取ってから否定」であって「入力を否定してからAND」ではない。後者はド・モルガンの法則によりNOR(否定論理和)と一致し、この取り違えが最頻出の誤り。またNAND型フラッシュメモリは回路の接続構造を指す呼び名で、演算としてのNANDそのものの話ではない。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問10(IPA)
NAND型フラッシュメモリに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:ページ単位で書込み及び読出しを行う。
要点:NAND型フラッシュは読み書きページ単位、消去はブロック単位
NAND型フラッシュメモリは、複数バイトをまとめたページを単位として読出しと書込みを行う。消去はさらに大きなブロック単位で行われる。バイト単位のランダムアクセスができない代わりに、高集積化しやすく大容量・低コストで、SSDやメモリカードに使われる。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問23(IPA)
入力XとYの値が同じときにだけ、出力Zに1を出力する回路はどれか。4つの論理回路図の選択肢から選ぶ。いずれもXとYが右方向に分岐し、一方は上段のゲートへ、もう一…
正解:上段ゲートはNAND(X・Yの否定、バブルあり)、下段ゲートはNAND(NOT X・NOT Yの否定、バブルあり)、最終段もNAND(バブルあり)でZを出力する回路。
要点:入力一致で1になるのはXNOR(排他的論理和の否定)
入力が一致したときだけ1を出すのは一致回路、すなわち排他的論理和の否定(XNOR)で、論理式は X・Y + Xの否定・Yの否定 です。NANDだけで構成した回路は、前段2つのNAND出力を最終段のNANDに入れるとド・モルガンの法則により2つの積項の論理和になり、この式と一致します。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問21(IPA)
NAND素子を用いた次の組合せ回路の出力Zを表す式はどれか。ここで、論理式中の"・"は論理積、"+"は論理和、"X̄"はXの否定を表す。
正解:X+Y
要点:NANDは入力を共通にすると否定回路として働く
2入力とも同じ信号を入れたNANDは、その信号の否定を出力する。したがって前段の2素子の出力はそれぞれX̄とȲになる。これを最終段のNANDに入れるとZ=(X̄・Ȳ)の否定となり、ド・モルガンの法則によりX+Yに等しくなる。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問21(IPA)
入力がAとB、出力がYの論理回路を動作させたとき、図のタイムチャートが得られた。この論理回路として、適切なものはどれか。
正解:2入力の否定論理積素子(AND素子の出力に否定丸、NAND)。AとBを入力しYを出力する回路。
要点:両入力が1のときだけ出力0になるゲートはNANDである
タイムチャートを読み取ると、AとBがともに1のときだけ出力Yが0になり、それ以外の入力の組合せではYが1になっている。これは論理積を反転した否定論理積(NAND)の真理値表と一致する。NANDは単独であらゆる論理回路を構成できる完全性をもつ基本ゲートである。
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問22(IPA)
入力がAとB、出力がYの論理回路を動作させたとき、図のタイミングチャートが得られた。この論理回路として、適切なものはどれか。
正解:NAND素子(A, Bを入力しYを出力する否定論理積素子)
要点:両入力が1のときだけ出力0になるのはNAND
タイミングチャートを読むと、AとBがともに1のときだけ出力Yが0になり、それ以外の組合せではYが1になっている。これは否定論理積(NAND)の真理値表そのものである。したがってこの論理回路はNAND素子である。
出典・参考
公式シラバスの2 コンピュータシステム > 2. メモリ > (1) メモリの種類と特徴に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。