雇用契約とは?こようけいやく
雇用契約とは、労働者が使用者の指揮命令のもとで働き、使用者がその対価として賃金を支払うことを約束する契約。民法では雇用、労働契約法では労働契約と呼ぶが実質は同じものを指す。成果物の完成を約束する請負契約や、事務の処理を任される(準)委任契約と違い、指示を受けて働くこと自体が約束の中身になる。
最終更新:2026-10-10
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働き方を契約書の題名だけで判断できるとすると、実態は毎日出社して上司の指示どおりに働いているのに「業務委託」と呼び、労働時間の上限も最低賃金も社会保険も適用しない、ということが起こりうる。そこで労働法は、指揮命令を受けているか、勤務時間を管理されているかという実態から雇用契約かどうかを判断する立場をとっている。ITの現場では偽装請負の論点として繰り返し問われる。
具体例
厚生労働省は、請負や業務委託という名目であっても、発注側が作業者へ直接指示を出し勤務時間を管理していれば労働者にあたる、という判断の基準を示している。契約書の表題が「業務委託契約書」でも、実態が指揮命令下の労働であれば雇用契約として労働基準法が適用される。
試験での引っ掛け
雇用契約・請負契約・(準)委任契約の取り違えが定番。指示を受けて働くのが雇用、仕事の完成に責任を負うのが請負、事務の処理を引き受けるのが準委任である。労働者派遣はこの例外で、雇用契約は派遣元と結び、指揮命令は派遣先が行う。いずれも契約書の名称ではなく実態で判断される。
関連用語
出た過去問
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問20(IPA)解説で登場
労働者派遣に関連する記述のうち、派遣先の企業が行わなければならないことはどれか。
正解:派遣労働者からの苦情に対する適切かつ迅速な処理
要点:派遣労働者の苦情処理は就業先である派遣先の責任
労働者派遣では、雇用契約は派遣元と派遣労働者の間にあるため、給与や労働条件の明示、キャリア形成の支援、雇用の安定に関する措置などは派遣元の責任となる。これに対し、実際に指揮命令を行い就業環境を提供する派遣先には、派遣労働者から出た苦情を適切かつ迅速に処理する責任が課される。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問9(IPA)解説で登場
商品の販売業務を行う労働者の就業形態のうち、販売業務を行う会社と雇用関係のある者を全て挙げたものはどれか。 a アルバイト b 契約社員 c 派遣社員 d パー…
正解:a, b, d
要点:派遣社員の雇用主は派遣元。派遣先とは指揮命令のみの関係
雇用関係は、労働契約を結んで賃金を支払う会社との間に生じる。アルバイト・パートタイマ・契約社員はいずれも呼称が違うだけで、その会社と直接労働契約を結ぶ従業員である。一方、派遣社員は派遣元の会社と雇用契約を結び、派遣先である会社からは指揮命令だけを受けるため雇用関係は生じない。よってa、b、dが該当する。
出典:平成28年度 秋期 ITパスポート試験 問1(IPA)解説で登場
労働者派遣に関する説明のうち,適切なものはどれか。
正解:派遣労働者であった者を,派遣元との雇用期間が終了後,派遣先が雇用してもよい。
要点:派遣は雇用が派遣元、指揮命令が派遣先
労働者派遣は、雇用契約は派遣元と結び、指揮命令だけを派遣先が行う仕組み。派遣期間が終わって派遣元との雇用契約が終了した後は、その人を派遣先が直接雇用することに制限はなく、直接雇用への切替えはむしろ法の趣旨に沿う。給与の支払いや派遣する人の選定は、雇用主である派遣元の役割である。
出典:令和3年度 秋期 ITパスポート試験 問12(IPA)解説で登場
労働者派遣に関する記述a〜cのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。 a 派遣契約の種類によらず、派遣労働者の選任は派遣先が行う。 b 派遣労働者であっ…
正解:b
要点:雇用と給与は派遣元、指揮命令のみ派遣先が行う
労働者派遣では、派遣労働者と雇用契約を結ぶのは派遣元であり、給与の支払いも派遣元が行う。派遣先は業務上の指揮命令を行うだけで、誰を派遣するかを特定する行為(事前面接など)は原則として禁止されている。一方、派遣期間の終了後に派遣先がその人を直接雇用することは制限されていない。
出典:令和6年度 秋期 ITパスポート試験 問32(IPA)解説で登場
労働者派遣における派遣労働者の雇用関係に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:派遣元との間に雇用関係があり、派遣先との間には存在しない。
要点:派遣は雇用が派遣元、指揮命令が派遣先
労働者派遣では、派遣労働者と雇用契約を結ぶのは派遣元です。派遣先は業務上の指揮命令を行いますが、雇用関係は生じません。つまり「雇用は派遣元、指揮命令は派遣先」という二重構造が、請負や出向との違いを見分ける鍵になります。
出典・参考
公式シラバスの1 企業と法務 > 6. 労働関連・取引関連法規 > (1) 労働関連法規に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。