IT統制とは?あいてぃーとうせい
IT統制とは、企業が情報システムを適切に管理・運用し、業務の正確性や信頼性、情報の機密性を確保するために設ける仕組みやルールの総称のこと。業務を正しく進めるために組織の中に設ける仕組み(内部統制)の一部として位置づけられ、システムへのアクセス権限の管理、プログラム変更の承認手続き、データのバックアップ体制などが対象となる。上場企業の財務報告の信頼性を確保するための内部統制の制度(金融商品取引法に基づく、いわゆるJ-SOX)においても、情報システムに関わる統制であるIT統制の整備・運用状況が評価対象とされている。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
会計や受注などの業務をシステムに頼る会社では、そのシステムが誤った数字を出したり、誰でも設定を書き換えられたりすれば、決算の数字そのものが信用されなくなる。上場企業に財務報告の信頼性が求められる以上、システムを使う業務の正しさを守る仕組みも、会社の統制の一部として整える必要が出てきた。
具体例
上場企業が決算処理を行う会計システムについて、担当者ごとにアクセス権限を分け、プログラムの変更には必ず上長の承認を必要とするルールを設け、監査法人の内部統制監査に対応する。
試験での引っ掛け
IT統制は情報システムの技術的な安全対策(セキュリティ対策)だけを指すのではなく、承認手続きや権限管理などの業務プロセス面のルール整備も含む幅広い概念である点に注意する。
関連用語
出た過去問
出典:平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問28(IPA)
IT統制は、ITに係る全般統制や業務処理統制などに分類される。全般統制はそれぞれの業務処理統制が有効に機能する環境を保証する統制活動のことをいい、業務処理統制は…
正解:人事システムの機能ごとに利用者を限定するアクセス管理の仕組み
要点:業務処理統制は個別システム内で処理の正確性を担保する
IT統制のうち業務処理統制は、個々の業務システムにおいて、承認された取引だけが漏れなく正確に処理・記録されることを担保する統制である。人事システムの機能単位で利用者を限定する仕組みは、その業務システム内で不正・誤りのある処理を防ぐものなので業務処理統制にあたる。委託先管理やネットワーク運用管理、全社的な開発・保守規程は、各業務処理統制が有効に働く土台をつくるIT全般統制に分類される。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問31(IPA)
IT統制は、ITに係る全般統制や業務処理統制などに分類される。全般統制はそれぞれの業務処理統制が有効に機能する環境を保証する統制活動のことをいい、業務処理統制は…
正解:全社で共通に用いるシステム開発規程
要点:全般統制は開発・運用など全社共通の土台を整える統制
IT全般統制は、個々の業務システムが正しく動く土台となる環境そのものを整える統制で、システムの開発や変更、運用、アクセス管理といった全社共通の仕組みが該当する。これに対し、入力チェックやマスタの維持、エラー修正手続など個別業務の処理の正確性を担保するものは業務処理統制に分類される。全社共通の開発規程は前者にあたる。
出典:平成27年度 秋期 ITパスポート試験 問39(IPA)
企業におけるIT統制に関する次の記述中のaに入れる最も適切な字句はどれか。 企業は,経営戦略に沿って組織体の[ a ]に向けて,効果的なIT戦略を立案し,その戦…
正解:ITガバナンスの実現
要点:IT統制はITガバナンス実現のための仕組み
ITガバナンスは、経営戦略に沿ってIT戦略を立案し、情報システムのライフサイクル全体を統制して企業価値の向上につなげる、経営者の責任における取組みである。IT統制はそのガバナンスを実現するための仕組みとして整備・運用される。監査や標準の制定はその手段の一部にとどまる。
出典:平成28年度 春期 ITパスポート試験 問45(IPA)
IT統制は、ITに係る業務処理統制や全般統制などに分類される。業務処理統制は業務を管理するシステムにおいて、承認された業務が全て正確に処理、記録されることを確保…
正解:購買業務システムに入力されるデータが重複なく入力されるような統制
要点:業務処理統制は入力〜記録の正確性、全般統制はその土台
業務処理統制は、個々の業務システムの中で、承認された取引が漏れなく重複なく正確に処理・記録されることを確保する仕組みである。入力データの重複を防ぐチェックはまさにこれに当たる。一方、アクセス管理、システムの運用・管理、開発・保守の管理は、複数の業務処理統制が有効に働く土台を支えるものであり、IT全般統制に分類される。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。