総資本回転率とは?そうしほんかいてんりつ
総資本回転率とは、会社が使っているお金(総資本)が、1年間で何回分の売上を生んだかを表す指標。式は「売上高÷総資本」。値が大きいほど、少ない資本で多くの売上を上げており、資本を効率よく使っていることになる。ITパスポートでは「資本を効率よく使えているかを示す指標はどれか」という形で、利益率や自己資本比率と区別させる問題が出る。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
同じ売上の会社でも、大きな工場や在庫を抱えて稼ぐ会社と、少ない元手で回す会社とでは、お金の使い方の上手さが違う。利益の大きさだけを見てもこの違いは見えないので、「元手を何回転させたか」で比べる物差しが使われる。
具体例
売上高12億円、総資本8億円の会社なら、12÷8=1.5回。ユニクロやセブン-イレブンのような小売業は、仕入れた商品を短い期間で売り切るので回転率が高くなりやすい。反対に、ビルや土地という大きな資産を持つ三井不動産のような不動産業は、資産に比べて売上が小さいので回転率は低くなりやすい。
試験での引っ掛け
「回転率が高い=利益が多い」ではない。回転率が表すのは効率で、儲けの大きさ(売上高利益率など)とは別の指標。収益性の指標(ROE=自己資本利益率:株主が出したお金でどれだけ利益を出したか、ROA=総資産利益率:会社の資産全体でどれだけ利益を出したか、売上高利益率)、安全性の指標(自己資本比率・流動比率)と、効率性の指標(回転率)の3つを分けて覚えると選択肢を切れる。
関連用語
出た過去問
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験 問25(IPA)
自己資本利益率を次の式で算出するとき、aに入れる適切な字句はどれか。 自己資本利益率 = 売上高利益率 × a
正解:自己資本回転率
要点:ROE=売上高利益率×自己資本回転率に分解できる
自己資本利益率(ROE)は利益÷自己資本である。これを(利益÷売上高)×(売上高÷自己資本)と分解すると、前者が売上高利益率、後者が自己資本回転率になる。したがって空欄には自己資本回転率が入る。収益性と資本の回転効率の掛け算でROEが決まるという見方である。
出典:平成29年度 秋期 ITパスポート試験 問7(IPA)
財務分析によって得られる指標とその値に関する記述a〜cのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。 a 自己資本比率は、数値が大きいほど財務の安全性が高いと…
正解:a
要点:自己資本比率は高いほど安全、流動比率も高いほど安全
自己資本比率は総資本に占める返済不要の自己資本の割合で、大きいほど財務の安全性が高いのでaは正しい。総資産回転率は売上高÷総資産であり、大きいほど資産が効率よく回っていて回転期間はむしろ短くなるためbは誤り。流動比率は流動資産÷流動負債で、大きいほど短期の支払能力が高いのでcも誤り。よって適切なのはaだけである。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験 問25(IPA)
企業の収益性分析を行う指標の一つに、“利益÷資本”で求められる資本利益率がある。資本利益率は、売上高利益率(利益÷売上高)と資本回転率(売上高÷資本)に分解して…
正解:2.0
要点:資本利益率=売上高利益率×資本回転率
資本利益率は「利益÷資本」だが、これは「利益÷売上高」と「売上高÷資本」の積に分解できる。つまり資本利益率=売上高利益率×資本回転率である。資本利益率が4%、資本回転率が2.0回であるから、売上高利益率は4÷2.0=2.0%となる。収益性は利幅と資本の回転の速さの掛け合わせで決まる、という見方を示す関係式である。
出典:令和5年度 秋期 ITパスポート試験 問20(IPA)
資本活用の効率性を示す指標はどれか。
正解:総資本回転率
要点:総資本回転率=売上高÷総資本で資本の活用効率を示す
総資本回転率は売上高を総資本で割った指標で、投じた資本が1年間に何回売上に転換したかを表す。値が大きいほど少ない資本で多くの売上を生んでおり、資本が効率よく使われていると判断できる。他の指標は収益性や安全性を測るもので、資本の活用効率を直接表すものではない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。