NAPTとは?
NAPT(Network Address Port Translation:ネットワークアドレス・ポート変換)は、プライベートIPアドレスを持つ複数の端末が、1つのグローバルIPアドレスを共用してインターネットを使えるようにする変換の仕組みで、IPマスカレードとも呼ばれる。ルータが外へ出ていく通信の送信元IPアドレスをグローバルIPアドレスに書き換えると同時に、送信元のポート番号も端末ごとに別の番号に付け替え、その対応を表に記録する。戻ってきた通信は、宛先のポート番号を表で引いて元の端末へ届ける。アドレスだけを1対1で付け替えるNAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)では1つのグローバルIPアドレスを同時に1台しか使えないが、NAPTはポート番号で見分けるので多数の端末で共用できる、という違いが試験で問われる。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
IPv4のアドレスは約43億個しかなく、インターネットにつなぐ機器が増えると足りなくなった(世界のアドレスの大元の在庫は2011年に尽きた)。端末1台ずつにグローバルIPアドレスを配るのをやめ、家庭や会社の中ではプライベートIPアドレスを使い、出口で1つのグローバルIPアドレスにまとめる方法が必要になった。
具体例
バッファローやNECのAtermのような家庭用Wi-Fiルーターは、この変換を行っている。自宅でスマホ(192.168.1.10)とノートPC(192.168.1.11)が同時に動画サイトへアクセスすると、ルーターは両方の送信元を同じグローバルIPアドレスに書き換え、スマホの通信には60001番、PCの通信には60002番といった別々のポート番号を割り当てて表に残す。動画サイトから60002番宛てに返ってきたデータは、表を引いてノートPCへ届く。
試験での引っ掛け
「1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共用する仕組み」を問われたら、NATではなくNAPT。NATはアドレスだけの変換で、ポート番号まで書き換えるのがNAPT。また、端末にIPアドレスを配るDHCP(IPアドレスを自動で割り当てる仕組み)や、通信を代理で中継するプロキシと混同させる選択肢にも注意。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問33(IPA)
プライベートIPアドレスをもつ複数の端末が,一つのグローバルIPアドレスを使ってインターネット接続を利用する仕組みを実現するものはどれか。
正解:NAPT
要点:NAPTはポート番号も変換し1つのグローバルIPを共用する
NAPTは、IPアドレスの変換に加えてポート番号も同時に書き換えることで、内部の複数端末を1つのグローバルIPアドレスに対応付ける。戻りの通信はポート番号の対応表をたどって元の端末へ振り分けられる。IPマスカレードとも呼ばれ、家庭用ルータの標準機能になっている。
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問33(IPA)解説で登場
IPv4において、インターネット接続用ルータのNAT機能の説明として、適切なものはどれか。
正解:プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互に変換する機能である。
要点:NATはプライベートIPとグローバルIPを相互変換する
NATは、社内で使うプライベートIPアドレスと、インターネット上で通用するグローバルIPアドレスを相互に変換する機能である。限られたグローバルアドレスを多くの端末で共用でき、外部から内部アドレスが直接見えなくなる副次的効果もある。ポート番号も併せて変換して1つのグローバルアドレスを多数の端末で共用する方式はNAPT(IPマスカレード)と呼ばれる。
出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問32(IPA)
LANに接続されている複数のPCを,FTTHを使ってインターネットに接続するシステムがあり,装置AのWAN側インタフェースには1個のグローバルIPアドレスが割り…
正解:NAPT(IPマスカレード)
要点:NAPTはポート番号も変換して1つのグローバルIPを共有する
1個のグローバルIPアドレスを複数の端末で共有するには、IPアドレスに加えてポート番号も一緒に変換する必要があります。NAPT(IPマスカレード)は内側の各通信に異なるポート番号を割り当て、戻ってきたパケットをポート番号で元の端末へ振り分けます。アドレスだけを1対1で変換するNATでは、同時に使える端末が1台に限られます。
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問33(IPA)
LANに接続されている複数のPCをインターネットに接続するシステムがあり、装置AのWAN側インタフェースには1個のグローバルIPアドレスが割り当てられている。こ…
正解:NAPT(IPマスカレード)
要点:1個のグローバルIPを多数端末で共有するのはNAPT
グローバルIPアドレス1個を複数端末で共有するには、プライベートIPアドレスとポート番号の組を対応付けて変換する仕組みが必要になる。これがNAPT(IPマスカレード)で、送信元IPアドレスをグローバルアドレスに書き換え、同時にポート番号を通信ごとに変えて識別する。IPアドレスを1対1で変換する単純なNATでは、1個のアドレスを同時に複数端末で使えない。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。