規模の経済とは?きぼのけいざい
規模の経済とは、生産や販売の量を増やすほど、製品 1 単位あたりのコストが下がる効果。工場や設備のように量に関係なくかかる費用(固定費)が多くの製品に分散されることと、材料をまとめて仕入れて安く買えることが主な理由である。同じ事業の量を大きくして得る効果で、複数の事業をまとめて得る範囲の経済とは区別する。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
設備に大きな費用がかかる製造業では、少ししか作らないと 1 個あたりの設備費が重くのしかかる。20 世紀の初め、フォードは自動車 T 型フォードを流れ作業で大量に作り、1 台あたりの費用を下げて値下げを続け、自動車を一般の人が買える商品にした。量を増やせば単価が下がるという関係をつかめば、大量生産・集約化・合併といった戦略の理由を説明できる。
具体例
鴻海精密工業(Foxconn)は、Apple をはじめ複数の会社から電子機器の製造を引き受ける EMS(電子機器受託製造)で、各社の注文を自社の工場に集めることで設備を目いっぱい動かし、1 台あたりのコストを下げている。計算で確かめると、固定費 1,000 万円・1 本あたりの変動費 50 円の工場で、20 万本作れば総費用 2,000 万円で 1 本 100 円、40 万本なら 3,000 万円で 1 本 75 円となり、量が 2 倍で単価が下がる。これが規模の経済が働いている状態である。
試験での引っ掛け
過去問では、生産量ごとの費用の表から「規模の経済が働いているか」を判断させる。総費用÷生産量で 1 単位あたりの費用を出し、量を増やして単価が下がれば働いている、上がれば働いていない。総費用が増えたかどうかで判断しないこと。範囲の経済(品目をまとめると安くなる)、経験曲線効果(累積の生産量が増えるほど慣れや改善でコストが下がる)と混同しやすい。規模の経済はある時点の量の大きさ、経験曲線は時間を通じて積み上げた量、が見分けどころである。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成30年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問67(IPA)
あるメーカがビールと清涼飲料水を生産する場合、表に示すように6種類のケース(A~F)によって異なるコストが掛かる。このメーカの両製品の生産活動におけるスケールメ…
正解:スケールメリットはないが、シナジー効果はある。
要点:同時生産の費用が個別合計より安ければシナジー効果あり
ビールは20万本で1,500万円(1本75円)、40万本で3,300万円(同82.5円)と単位コストが上がり、清涼飲料水も同様なので規模の経済は働いていない。一方、両方を同時に生産するケースEは1,900万円で個別合計2,000万円より安く、ケースFも4,200万円と個別合計4,400万円を下回るため、シナジー効果はある。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。