範囲の経済とは?はんいのけいざい
範囲の経済とは、複数の製品や事業を 1 つの企業でまとめて手がけるほうが、別々の企業がそれぞれ手がけるより、全体のコストが小さくなる効果。設備・技術・販売網・ブランドなどの経営資源を複数の事業で共有できることから生まれる。多角化を進める理由の一つで、事業どうしの相乗効果(シナジー効果)とほぼ同じ意味で使われる。
最終更新:2026-10-10
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会社が持つ工場・技術・顧客とのつながりは、1 つの事業だけに使っていると空き時間や使い残しが出る。同じ資源を別の製品にも回せれば、新しく一から揃えるより安く済む。量を増やして単価を下げる規模の経済だけでは、品ぞろえを広げる多角化がなぜ得なのかを説明できないため、「種類を増やすことで生まれる得」として区別して捉えるようになった。
具体例
富士フイルムは、写真フィルムの開発で培ったコラーゲンや酸化を防ぐ技術を化粧品の「アスタリフト」に転用した。研究設備と技術を写真と化粧品で共有したので、化粧品会社を新しく一から作るより少ない費用で参入できた。計算の例では、A だけ作ると 1,200 万円、B だけ作ると 800 万円(別々なら合計 2,000 万円)のところ、A と B を同じ工場で同時に作ると 1,900 万円で済むなら、範囲の経済が働いている。
試験での引っ掛け
規模の経済(同じ製品の量を増やすと単価が下がる)との取り違えが最も多い。範囲の経済は「量」ではなく「種類」をまとめたときの効果である。計算問題では、同時に作ったときの費用を、別々に作ったときの費用の合計と比べる。過去問では、品数の少ない商品も幅広くそろえて売上を稼ぐロングテール、ネットワークの価値は利用者数の 2 乗に比例するというメトカーフの法則の説明と並べて出された。ロングテールは品ぞろえの広さによる売上の話で、共有によるコスト削減の話ではない。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。