フルバックアップとは?ふるばっくあっぷ
フルバックアップとは、対象のデータを毎回すべて丸ごと複製するバックアップ方式。復元はそのフルバックアップ1本だけで済むので最も速く簡単だが、取得にかかる時間と保存容量は最も大きい。そのため実務では、週1回などの間隔でフルバックアップを取り、その間を差分バックアップか増分バックアップで埋める組合せが基本になる。差分・増分はどちらも『基準になるフルバックアップ』が無いと復元できない。データベースの障害回復では、フルバックアップを戻したあと、取得時以降の更新後の記録(ログファイル(ジャーナル))を反映して障害直前の状態に戻す(ロールフォワード)。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
差分も増分も『前回から変わった分』しか持たないため、どこかで全体の写しを取っておかないと復元の出発点が無い。全部を毎回取ると時間と媒体が足りないので、全体の写しの頻度を落とし、その間を変更分で埋める考え方が生まれた。
具体例
Apple の Mac に付属する Time Machine は、最初の1回で Mac の中身を丸ごと外付けディスクに複製し(フルバックアップ)、以降は前回から変わったファイルだけを1時間ごとに追加していく。初回だけ時間がかかるのはこのため。
試験での引っ掛け
『復元に必要なのはフルバックアップ+最後の差分1つ』が差分バックアップ、『フルバックアップ+以降すべての増分』が増分バックアップ。フルバックアップ単独なら1本で復元できる。また、フルバックアップを戻すだけではその後の更新は失われ、ログで更新を反映し直す(ロールフォワード)までが回復の手順である点を、取り消し方向のロールバックと取り違えない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問19(IPA)解説で登場
バックアップ方式の説明のうち、増分バックアップはどれか。ここで、最初のバックアップでは、全てのファイルのバックアップを取得し、OSが管理しているファイル更新を示…
正解:直前に行ったバックアップの後、ファイル更新を示す情報があるファイルだけをバックアップし、ファイル更新を示す情報はリセットする。
要点:増分は直前以降の更新分+フラグリセット、差分はフラグを残す
増分バックアップは、直前に取ったバックアップ以降に更新されたファイルだけを対象とし、取得後は更新フラグをリセットする方式である。毎回リセットするため各回の対象が重複せず、バックアップ量と所要時間は最小になるが、復元には初回のフルバックアップと以降すべての増分が必要になる。フラグをリセットせず初回以降の更新分を毎回まとめて取る方式は差分バックアップである。
出典:令和4年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問46(IPA)
ディスク障害時に、フルバックアップを取得してあるテープからディスクにデータを復元した後、フルバックアップ取得時以降の更新後コピーをログから反映させてデータベース…
正解:ロールフォワード
要点:ロールフォワードは更新後ログで先へ進めて回復する
ロールフォワードは、バックアップから復元した時点以降の更新後ログを順に適用し、障害の直前の状態まで進めて回復する方法である。媒体障害からの回復で用いる。これに対しロールバックは更新前ログを使って処理の開始時点へ戻す方法で、トランザクションの異常終了に対応する。進めるか戻すかで区別する。
出典:令和7年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目B 問6(IPA)
A社は従業員200名の電子機器メーカーである。東京に本社があり、新潟に工場がある。 A社では、ファイルサーバを図1のように運用している。 〔図1 A社のファイル…
正解:a1: 火曜日の正午 / a2: 4.50 / a3: CISO
要点:RPOは遡る時点、RTOは復旧時間。承認者はCISO
RPOが72時間なので、金曜日の正午に障害が起きた場合は少なくともその72時間前、つまり火曜日の正午時点のデータまでは復元できなければならない。木曜日の正午の障害では、土曜日のフルバックアップに加えて火曜日と木曜日の2回分の増分バックアップを適用するため、4時間+0.25時間×2=4.50時間かかる。またICT継続の計画書のような重要文書は、担当者や監査部門ではなく責任者であるCISOが承認する。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。