並行シミュレーション法とは?へいこうしみゅれーしょんほう
並行シミュレーション法とは、監査人が監査対象プログラムと同じ処理を行う検証用プログラムを別に用意し、同一の入力データを双方に処理させて結果を比較することで、対象プログラムの正確性を確かめる技法。本番プログラムに手を加えず、本番データをそのまま使って検証できる。
最終更新:2026-10-06
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プログラムの内部を読んで正しさを確かめる方法は、規模が大きくなるほど現実的でなくなり、変更のたびに読み直しが要る。出力が正しいかを問うのであれば、独立に作った処理と突き合わせれば足りる——この発想が並行シミュレーション法である。監査人が自ら処理を作る点で、被監査部門の説明に依存しない証拠が得られる。
具体例
給与計算システムの支給額と、監査人が仕様書から起こした表計算モデルによる再計算結果を突き合わせ、差異が生じた件について原因を追及する。突合の条件と差異の一覧は監査調書に残す。
試験での引っ掛け
テストデータ法との違いは、監査人が何を作るかにある。テストデータ法は監査人がデータを作って対象プログラムに流し、並行シミュレーション法は監査人がプログラムを作って本番データを流す。検証用プログラムが仕様の誤解のまま作られていれば差異の解釈を誤るため、仕様の確認が前提になる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
表はコンピュータを利用して行うシステム監査技法についてまとめたものである。(1)〜(4)の組合せとして,適切なものはどれか。
正解:(1)稼働中オンラインシステムのテスト (2)プログラムロジックの分析 (3)プログラム変更の検証 (4)データの抽出
要点:監査技法は目的別にテスト・ロジック分析・変更検証・データ抽出に整理できる
各技法の目的を押さえれば表は埋まる。ITF法は本番環境に監査用の架空口座を設けて稼働中のオンラインシステムを検証する技法なので(1)が稼働中システムのテストになる。並行シミュレーション法・スナップショット法・トレーシング法はいずれも処理の途中経過や論理を追跡するもので(2)がプログラムロジックの分析、コード比較法はソースや実行モジュールを突き合わせるので(3)がプログラム変更の検証、汎用監査ソフトウェア法と組込み監査モジュール法は(4)のデータ抽出に当たる。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問4(IPA)解説で登場
システム監査技法であるITF(Integrated Test Facility)法の説明はどれか。
正解:監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け,実稼働中にテストデータを入力し,その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合して,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
要点:ITF法は本番に監査人用口座を設け稼働中に処理を検証する技法
ITF法は、本番の監査対象ファイルの中に監査人専用の架空口座を設け、実稼働中の処理にテストデータを流し込んで結果を検証する技法である。本番と同一の環境・同一のプログラムで検証できる点が長所だが、テストデータが本番データに混入しないよう分離する管理が不可欠になる。監査モジュールの組込みは組込み監査モジュール法、別プログラムとの結果比較は並行シミュレーション法である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。