期待値と分散とは?きたいちとぶんさん
期待値は各結果の値に確率を掛けて足し合わせた平均的な値、分散は期待値からのずれの二乗の平均で、その平方根が元データと同じ単位を持つ標準偏差。独立な確率変数の和では期待値も分散も加算できるが、標準偏差は加算できない。期待値が同じ案でも分散を見ればリスクの大きさを区別できる。
最終更新:2026-10-06
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平均だけで案を比べると、めったに起きない大損や大当たりが平均に埋もれて見えなくなる。ばらつきを別の数字として持つことで「平均は同じだが振れ幅が違う2案」を区別し、どこまでの振れを許容できるかという条件で選べるようになる。応用情報では、デシジョンツリーによる期待値の比較、工数見積りのバッファ算定、待ち行列や稼働率計算の下ごしらえとして繰り返し使う道具になる。
具体例
工数見積りで期待値50人月・標準偏差10人月と分かれば、±2標準偏差=おおむね30〜70人月という幅で会議に説明できる。PERTでは楽観値a・最可能値m・悲観値bから期待値を(a+4m+b)/6、標準偏差を(b−a)/6として日程バッファの根拠に使う。
試験での引っ掛け
独立な確率変数の和で足せるのは分散であって標準偏差ではない(平方根は合計した分散に対して取る)。また期待値は実際に起こりうる値とは限らず、サイコロの期待値3.5のように出目に存在しない値になる。期待値が等しい案を同等と即断せず、分散を併せて見る。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)
ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:施策b、利益増加額の期待値82億円
要点:デシジョンツリーは末端から期待値を戻して最良枝を選ぶ
後ろから期待値を計算する。施策bでは、確率0.3の枝で追加費用40億円を投じると0.4×150+0.6×100-40=80億円となり、追加しない場合の70億円を上回るので80億円を採る。よってbの期待値は0.3×80+0.7×140-40=122-40=82億円である。同様に施策aは0.4×70+0.6×120-30=70億円となり、bのほうが大きい。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問74(IPA)
ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:b/82
要点:決定木は末端から期待値を遡り、途中の意思決定点では有利な枝を選ぶ
決定木は末端から遡って期待値を計算します。施策aは、確率0.4の枝で追加投資する場合の期待利益が70億円(追加しない場合の50億円より有利)、確率0.6の枝が120億円なので、0.4×70+0.6×120=100億円から初期費用30億円を引いて70億円です。施策bは、0.3の枝で追加投資する場合が80億円、0.7の枝が140億円なので、0.3×80+0.7×140=122億円から初期費用40億円を引いて82億円となり、bが有利です。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問75(IPA)
ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し、発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策…
正解:施策b、期待値82億円
要点:決定木は末端から期待値を求め、意思決定点では最大値を採る
枝の先に意思決定の分岐がある場合は、その時点で期待値の高いほうを選ぶものとして計算する。施策aは追加投資の枝が70、他方が120で、0.4×70+0.6×120-30=70となる。施策bは追加投資の枝が80、他方が140で、0.3×80+0.7×140-40=82となり、施策bが有利である。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問2(IPA)
平均が60、標準偏差が10の正規分布を表すグラフはどれか。
正解:山が幅広くなだらかで、中心60、10刻みで70の位置に点線がある釣鐘型の曲線
要点:正規分布は左右対称。標準偏差が幅、平均が中心を決める
正規分布は平均を中心とする左右対称の釣鐘型で、標準偏差が大きいほど山は低く幅広くなる。標準偏差10であれば平均60から±10、すなわち50と70の位置が変曲点(曲線の曲がる向きが変わる点)となり、この幅に対応するなだらかな曲線になる。中心60でその広がりをもつグラフが該当する。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問33(IPA)
ビット誤り率が0.0001%の回線を使って、1,500バイトのパケットを10,000個送信するとき、誤りが含まれるパケットの個数の期待値はおよそ幾らか。
正解:120
要点:誤り数の期待値は総ビット数×ビット誤り率で概算する
ビット誤り率0.0001%は1×10のマイナス6乗である。1パケットは1,500バイト=12,000ビットなので、全体では12,000×10,000=1.2×10の8乗ビットを送ることになる。誤りビットの期待値は1.2×10の8乗×10のマイナス6乗=120個であり、誤りは十分にまばらなので誤りを含むパケット数の期待値もおよそ120個となる。
出典・参考
公式シラバスの1 基礎理論 > 2. 応用数学 > (1) 確率と統計に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。