アナログ・デジタル変換(標本化・量子化・符号化)とは?あなろぐ・でじたるへんかん
アナログ・デジタル変換(標本化・量子化・符号化)とは、連続量を数値へ変換する3段階の処理。一定間隔で値を取り出す標本化、取り出した値を有限段階の目盛りへ丸める量子化、その結果をビット列にする符号化からなる。標本化周波数が時間方向の細かさを、量子化ビット数が振幅方向の細かさを決め、両者とチャネル数の積がそのままデータ量(ビット/秒)になるため、記憶容量や必要帯域の見積り計算として出題される。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
アナログ信号は複製や伝送のたびに雑音が加わり、劣化が積み上がっていく。値を数値へ置き換えてしまえば、途中の経路が多少乱れても元の数値に復元でき、誤り検出・訂正も圧縮も暗号化もできるようになる。この扱いやすさを得るために、連続量を有限の数値へ落とす——つまり意図的に情報を捨てる——のがA/D変換である。どこまで捨てるかを決めるのが標本化周波数と量子化ビット数で、品質と容量の折り合いをつける設計変数になる。
具体例
CDの音質は44.1kHz・16ビット・ステレオなので、1秒あたり 44,100×16×2=約1.41Mビット、1分では約10.6Mバイトになる。電話の音声はもっと狭い帯域で足りるため8kHz・8ビットのPCMとされ、64kビット/秒という値が従来の回線交換網の1チャネル分の帯域の根拠になっている。
試験での引っ掛け
標本化定理(標本化周波数は元の信号に含まれる最高周波数の2倍を超える必要がある)を満たさないと、実在しない低い周波数が現れる折返し雑音(エイリアシング)が生じる。この歪みは標本化した後では取り除けないため、変換前のローパスフィルタが必須になる。時間方向の細かさは標本化周波数、振幅方向の細かさは量子化ビット数であり、担当を入れ替えないこと。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問22(IPA)
音声を標本化周波数10 kHz、量子化ビット数16ビットで4秒間サンプリングして音声データを取得した。この音声データを、圧縮率1/4のADPCMを用いて圧縮した…
正解:20
要点:音声データ量=標本化周波数×量子化ビット数×時間÷8
1秒あたり10,000回の標本化で1標本16ビットなので、毎秒160,000ビット=20,000バイトになります。4秒間では80,000バイト、すなわち80kバイトです。これを圧縮率4分の1のADPCMで圧縮すると20kバイトになります。標本化周波数×量子化ビット数×秒数をビットで求め、8で割ってバイトに直す手順を守るのがポイントです。
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問4(IPA)
a,b,c,dの4文字から成るメッセージを符号化してビット列にする方法として表のア~エの4通りを考えた。この表はa,b,c,dの各1文字を符号化するときのビット…
正解:a=0, b=10, c=110, d=111
要点:語頭条件を満たし出現頻度が高い文字ほど短い符号が最適
一意に復号するには、どの符号語も他の符号語の先頭部分になっていない(語頭条件を満たす)必要がある。この条件を満たすのは0/10/110/111と2ビット固定長の2つで、平均符号長は前者が0.5×1+0.3×2+0.1×3+0.1×3=1.7ビット、後者が2ビットとなり、前者が短い。
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問3(IPA)
四つのアルファベットa〜dから成るテキストがあり、各アルファベットは2ビットの固定長2進符号で符号化されている。このテキストにおける各アルファベットの出現確率を…
正解:0.95
要点:平均符号長は出現確率と符号長の積の総和で求める
変換前は1文字2ビットの固定長なので、平均符号長は2ビットである。変換後の平均符号長は出現確率と符号長の積の合計で、0.4×1+0.3×2+0.2×3+0.1×3=1.9ビットとなる。したがって長さの比は1.9÷2=0.95。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問5(IPA)
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問2(IPA)
表は、文字A~Eを符号化したときのビット表記と、それぞれの文字の出現確率を表したものである。1文字当たりの平均ビット数は幾らか。
正解:1.8
要点:平均符号長は符号長と出現確率の積の総和で求める
平均ビット数は、各文字の符号長にその出現確率を掛けて合計した期待値として求める。0.5×1+0.3×2+0.1×3+0.05×4+0.05×4=0.5+0.6+0.3+0.2+0.2=1.8ビットとなる。出現頻度の高い文字ほど短い符号を割り当てるハフマン符号の考え方で、単純な3ビット固定長より効率が良いことが分かる。
出典・参考
公式シラバスの2 コンピュータシステム > 4. 入出力デバイス > (1) 入出力インタフェースに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。