桁落ち・情報落ち・打切り誤差とは?けたおち・じょうほうおち・うちきりごさ
桁落ち・情報落ち・打切り誤差とは、計算機が有限の桁しか持てないことから生じる誤差を、失われ方で分類したもの。桁落ちは値の近い数の減算で有効桁が一気に減る現象、情報落ちは絶対値の差が大きい数の加算で小さい側が消える現象、打切り誤差は無限級数や反復計算を途中で止めることで生じる誤差を指す。
最終更新:2026-10-06
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浮動小数点は限られたビット数に指数部と仮数部を割り当てるため、表現できる値は飛び飛びにしか存在しない。式の上では正しい計算でも、途中の値が表現の網の目からこぼれれば結果は真値から離れていく。しかもどこで精度を失うかは演算の順序と値の組合せで変わるので、同じ式でも書き方次第で答えが違ってくる。原因ごとに手当てが異なるため、まず類型を見分けることが要る。
具体例
1.000001 − 1.000000 は、有効数字7桁の入力から1桁ぶんの情報しか残らない(桁落ち)ため、式を変形して減算そのものを避ける。多数の小さな値を合計するときは、大きい順に足すと小さい値が無視されるので、小さい順に足すか補正付きの加算法を使う。
試験での引っ掛け
丸め誤差との区別が問われる。丸めは1回の演算結果を表現桁へ収めるときに生じる誤差、桁落ちは元からあった有効桁が失われる現象で、引き算そのものは正確でも信頼できる桁数が減る。加える順序を変えれば情報落ちは軽減できるが、桁落ちは順序を変えても消えない点も対比される。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問2(IPA)
桁落ちによる誤差の説明として、適切なものはどれか。
正解:値がほぼ等しい二つの数値の差を求めたとき、有効桁数が減ることによって発生する誤差
要点:桁落ちは近い値の減算で有効桁数が減る誤差
桁落ちは、値がほぼ等しい二つの数の差をとったときに上位の有効数字が相殺されて消え、残った下位の桁だけで結果を表すため有効桁数が減る現象である。差そのものは正しく求まっても、元の数が持っていた精度より粗い結果しか得られない点が問題になる。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問2(IPA)
桁落ちによる誤差の説明として、適切なものはどれか。
正解:値がほぼ等しい二つの数値の差を求めたとき、有効桁数が減ることによって発生する誤差
要点:桁落ちは近似した2数の減算で有効桁数が減る誤差
桁落ちは、値がきわめて近い2数の減算で上位桁が相殺されて消え、残った下位桁だけで結果を表すために有効桁数が大幅に減る現象である。もとの数値がもつ丸め誤差が相対的に拡大するため、精度が著しく落ちる。二次方程式の解の公式などで発生しやすく、式変形で回避するのが定石である。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問1(IPA)
浮動小数点数を、仮数部が7ビットである表示形式のコンピュータで計算した場合、情報落ちが発生しないものはどれか。ここで、仮数部が7ビットの表示形式とは次のフォーマ…
正解:{(1.1)2×2^-3+(1.0)2×2^-4}+(1.0)2×2^5
要点:情報落ちは大小差の大きい数の加減算で下位桁が消える現象
情報落ちは、絶対値が大きく異なる数どうしを加減算したとき、小さい方の下位桁が仮数部に収まらず消えてしまう現象である。アでは{ }内が0.1875+0.0625=0.25=(1.0)2×2^-2と誤差なく求まり、続く32との和32.25は32×(1+2^-7)、すなわち仮数部がちょうど7ビットで表せるため桁が消えない。他の選択肢はいずれも計算の途中で2^-8以下の桁が必要になり、7ビットに収まらず情報落ちが起きる。
出典・参考
公式シラバスの1 基礎理論 > 1. 離散数学 > (3) 算術演算と精度に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。