PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)とは?ぴーぴーえむ
PPMは、市場成長率(縦軸)と相対的市場シェア(横軸)の2軸で事業単位を花形・金のなる木・問題児・負け犬の4象限に分類し、資源配分を決める経営戦略手法である。理論的な土台は経験曲線効果とプロダクトライフサイクルで、シェアが高いほど累積生産量が多くコスト優位が生まれる(=相対的市場シェアが収益性の代理指標になる)、市場成長率が高いほど設備・販促への資金流出が大きい(=成長率が資金需要の代理指標になる)という2つの前提から、各象限のキャッシュフローが導かれる。したがって読むべきは象限名ではなく資金の流れで、金のなる木が生む余剰資金を問題児に配分して花形へ育て、花形が成長鈍化とともに金のなる木へ移行する、という循環を成立させることが目的になる。横軸を相対的市場シェア(自社シェア÷最大競合のシェア)とし、1.0を境界に置く点も定義の一部である。
最終更新:2026-10-06
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PPMが2軸をこの組合せに定めたのは恣意ではなく、経験曲線効果とプロダクトライフサイクルという2つの経験則に根拠がある。相対的市場シェアの高さは累積生産量の多さを通じてコスト優位=資金の生み出しやすさの代理指標になり、市場成長率の高さは設備・販促への資金流出の大きさの代理指標になる。この2つを掛け合わせると各象限のキャッシュフローが機械的に導けるため、経営者の勘に頼らず資源配分を議論できる。同時に、事業間のシナジーを一切考慮しないという割り切りの上に成り立つ枠組みでもあり、応用情報でその前提の限界まで問われるのはこのためである。
具体例
SIerが複数の事業を持つ場合、成長が緩やかでも既存顧客の保守運用で安定した売上を生む事業は金のなる木にあたり、そのキャッシュをクラウド基盤やAI活用といった成長市場の新規事業(問題児)へ配分する構図になる。ここで負け犬に分類された事業を機械的に撤退候補とすると判断を誤ることがあり、その事業が他事業の受注要件になっている、共通の技術者を抱えているといった相互依存があれば、単独の収益性では切れない。PPMは事業単位を独立と仮定する枠組みだからである。
試験での引っ掛け
象限の位置関係を問う出題が基本だが、応用情報では前提の限界まで問われる。PPMは事業間のシナジー(技術・顧客・ブランドの共有)を考慮せず、事業単位を独立とみなすため、負け犬=即撤退という結論は導けない。また外部環境の分析枠組みではなく、既存事業の資源配分の枠組みであり、新規参入市場の選定にはそのまま使えない。横軸は絶対的な市場シェアではなく相対的市場シェア(対最大競合比)で、1.0が境界である点も定義として問われる。記述式では、ある事業を継続すべき理由を「他事業へのシナジーがあり、PPMの独立性の仮定が成り立たないため」のように、枠組みの前提に言及して30〜50字で書く。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)
PPMにおいて、投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。
正解:市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業
要点:PPMの資金源は低成長・高シェアの「金のなる木」
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)では、市場成長率が低く相対的市場占有率が高い事業を「金のなる木」と呼ぶ。成長のための追加投資が少なくて済む一方、高いシェアから安定した資金を生むため、他の事業への投資原資となる。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)における“花形”を説明したものはどれか。
正解:市場成長率、市場占有率ともに高い製品である。成長に伴う投資も必要とするので、資金創出効果は大きいとは限らない。
要点:花形は成長率も占有率も高いが、投資が続くため資金の稼ぎ手とは限らない
PPMでは市場成長率と市場占有率の2軸で製品を4分類します。花形は両方が高い製品で、大きな売上を生む一方、成長市場で地位を保つための投資も継続的に必要となるため、正味の資金創出効果は必ずしも大きくありません。成長が鈍化すれば金のなる木へ移行します。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)マトリックスのa,bに入れる語句の適切な組合せはどれか。
正解:a=市場成長率, b=市場占有率
要点:PPMは市場成長率と市場占有率の2軸で事業を分類する
PPMは縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率をとり、事業を花形、問題児、金のなる木、負け犬の4象限に分類する。成長率が高く占有率も高いものが花形、成長率は低いが占有率が高く資金源となるものが金のなる木である。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)
PPMにおいて、投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。
正解:市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業
要点:PPMの資金源は成長率が低く占有率が高い金のなる木
PPMでは、市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業を4分類する。市場成長率が低く占有率が高い事業は「金のなる木」と呼ばれ、成長のための追加投資が少なくて済むうえ安定した収益が得られるため、他の事業への投資原資となる。ここで得た資金を、成長が見込める事業へ振り向けるのが基本的な考え方である。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問67(IPA)
PPMにおいて、投資用の資金源として位置付けられる事業はどれか。
正解:市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業
要点:PPMの金のなる木(低成長・高シェア)が他事業への投資原資となる
PPMは市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業を4象限に分類する。市場成長率が低く占有率が高い事業は「金のなる木」と呼ばれ、市場拡大のための追加投資が少なくて済む一方で高いシェアから安定した資金を生む。ここで得た資金を「花形」や「問題児」へ投じるのが定石なので、投資用の資金源はウにあたる。
出典・参考
公式シラバスの8 経営戦略 > 1. 経営戦略手法 > (2) 全社戦略に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。