刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)とは?けいほうのさいばーはんざいかんれんきてい
刑法のサイバー犯罪関連規定(不正指令電磁的記録に関する罪)とは、機械を相手にした行為には、人をだます詐欺や紙の文書の偽造という従来の条文が当てはまらない。その空白を埋めるため刑法に置かれた犯罪類型の総称で、電子計算機使用詐欺罪、電子計算機損壊等業務妨害罪、電磁的記録不正作出及び供用罪、正当な理由なくマルウェアを作成・提供・保管する不正指令電磁的記録に関する罪が含まれる。
最終更新:2026-10-06
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刑法が本来想定していたのは、紙の文書の偽造や、人をだまして財物を交付させる詐欺だった。相手が機械であれば、だまされる人がいないため詐欺の要件に当てはまらず、データの書換えも文書の偽造とは言えない。この処罰の空白を埋めるため、電磁的記録と電子計算機を対象とする条文が順次追加されてきた。応用情報では、行為の性質からどの法律・どの罪を選ぶかという形で問われる。
具体例
不正指令電磁的記録に関する罪はサイバー犯罪条約への対応として2011年の刑法改正で新設された。適用の形としては、業務システムを暗号化して停止させる行為が電子計算機損壊等業務妨害罪、検体を無断で配布する行為が同罪の提供にあたりうる。銀行の残高データを書き換えて利益を得れば電子計算機使用詐欺罪になる。
試験での引っ掛け
「正当な理由がないのに」が要件なので、防御研究や解析業務での取扱いが直ちに犯罪になるわけではなく、バグのあるプログラムを公開しただけでも意図に反する動作をさせる目的がなければ該当しない。逆に実害が出て初めて成立するわけでもない。他人のIDでのログインは不正アクセス禁止法、データ改ざんや業務妨害は刑法と、行為ごとに法律を選び分ける点が問われる。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)解説で登場
コンピュータウイルスを作成する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:ウイルスの作成を処罰するのは刑法の不正指令電磁的記録に関する罪
コンピュータウイルスの作成・提供・供用・取得・保管は、刑法の不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるウイルス作成罪)として処罰の対象となる。2011年の刑法改正で新設された規定である。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79(IPA)解説で登場
企業のWebサイトに接続してWebページを改ざんし、システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:Web改ざんによる業務妨害は刑法の業務妨害罪で処罰される
Webページを改ざんしてシステムを本来の使用目的に反する動作をさせ、業務を妨害する行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪に当たる。データやプログラムの破壊・改変によって業務を妨害する行為を処罰する規定である。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問78(IPA)解説で登場
企業が業務で使用しているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:マルウェアによるデータ消去は刑法で処罰される
マルウェアを他人のコンピュータに入れてデータを消去する行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録毀棄罪などで処罰される。またマルウェアの作成・提供・取得自体も刑法の不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるウイルス作成罪)の対象である。ネットワーク経由の不正ログインを罰する不正アクセス禁止法とは適用場面が異なる。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 2. セキュリティ関連法規 > (3) 刑法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。