不正アクセス禁止法とは?ふせいあくせすきんしほう
不正アクセス禁止法とは、アクセス制御機能のあるコンピュータへ、ネットワーク経由で他人の識別符号を無断で用いて、または脆弱性を突いて侵入する行為を禁じる法律。識別符号の不正取得・保管・提供や、フィッシングによる入力要求も規制対象で、情報を盗んだかどうかは成立の要件ではない。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
刑法の窃盗や不正指令電磁的記録の規定は財物やプログラムを対象としており、「入っただけ」の行為を捉えきれなかった。侵入は後続の被害の前段であるにもかかわらず、実害が出るまで手が出せない状態が続いていた。この法律は、アクセス制御を越えた時点を線引きとして侵入行為そのものを可罰化し、その空白を埋めている。
具体例
退職者が在職中に知った同僚のIDとパスワードで社外から社内システムへ接続すれば、何も持ち出さなくても侵入した時点で処罰の対象になる。他人のパスワードを第三者へ無断で教える行為も、不正アクセスを助長する行為として規制される。
試験での引っ掛け
保護対象はアクセス制御されたコンピュータへのネットワーク経由の利用であり、目の前の端末を直接操作する行為や、認証の無い公開ページの閲覧は対象外になる。データを盗んだかどうかは要件ではなく、識別符号を無断で入力した時点で成立する点が問われる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問78(IPA)解説で登場
企業が業務で使用しているコンピュータに、記憶媒体を介してマルウェアを侵入させ、そのコンピュータのデータを消去した者を処罰の対象とする法律はどれか。
正解:刑法
要点:マルウェアによるデータ消去は刑法で処罰される
マルウェアを他人のコンピュータに入れてデータを消去する行為は、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪や電磁的記録毀棄罪などで処罰される。またマルウェアの作成・提供・取得自体も刑法の不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるウイルス作成罪)の対象である。ネットワーク経由の不正ログインを罰する不正アクセス禁止法とは適用場面が異なる。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問78(IPA)
不正アクセス禁止法で規定されている、“不正アクセス行為を助長する行為の禁止”規定によって規制される行為はどれか。
正解:業務その他正当な理由なく、他人の利用者IDとパスワードを正規の利用者及びシステム管理者以外の者に提供する。
要点:他人のIDとパスワードを正当な理由なく渡すのが助長行為
不正アクセス禁止法は、不正アクセス行為そのものに加え、他人の識別符号を正当な理由なく第三者へ提供する行為を「助長する行為」として禁じている。実際に不正アクセスが行われたかどうかにかかわらず提供した時点で対象となる点が特徴である。不正取得や不正保管、フィッシングサイトの開設は、それぞれ別の条文で規制される。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 2. セキュリティ関連法規 > (2) 不正アクセス禁止法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。