フェールセーフ・フェールソフトとは?ふぇーるせーふ・ふぇーるそふと
フェールセーフは故障が起きたときにシステムを安全な側の状態へ倒す設計思想、フェールソフトは故障した部分を切り離し、性能や機能を落としてでも稼働を続ける設計思想である。止めるのが安全な対象か、止まること自体が損害になる対象かで、どちらを採るかが分かれる。
最終更新:2026-10-06
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故障をゼロにできないという前提を受け入れたところから、この2つの考え方は出てくる。故障を起こさない方向へ突き詰めるフォールトアボイダンスに対し、起きた後の振る舞いをあらかじめ決めておくのがこちら側の系統である。何を守るのかを設計者が先に決めなければ、故障時の挙動は実装した人の判断任せになる。応用情報では、対象の性質から選択の理由を書かせる形で問われる。
具体例
石油ストーブの転倒時自動消火は、異常時に運転を止める方向へ倒す設計で、止まっても損害が小さいためフェールセーフが成り立つ。一方で航空機や決済システムは止まること自体が損害になるため、系統を多重化し、故障した系を切り離して残りで縮退運転を続ける。同じ故障でも、守る対象が人命か継続性かで設計の向きが逆になる。
試験での引っ掛け
フールプルーフとの取り違えが定番で、分岐点は原因が故障か人の誤操作かである。故障時に安全側へ倒すのがフェールセーフ、誤操作をそもそもさせない、あるいはさせても危険にならないのがフールプルーフ。フェールソフトは安全に止めるのではなく性能を落として動かし続ける点でフェールセーフと逆方向であり、そこで得られる縮退運転という語も押さえておきたい。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問15(IPA)
フェールソフトの説明として、適切なものはどれか。
正解:装置の一部が故障しても、システムの全面的なサービス停止にならないようにする。
要点:フェールソフトは縮退運転で全面停止を避ける
フェールソフトは、障害が起きても機能を縮退させながら運転を継続し、システム全体の停止を避ける考え方である。性能や機能が落ちても、重要な業務は続けられる状態を保つ点が特徴で、縮退運転(フォールバック)とも呼ばれる。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問16(IPA)解説で登場
システムの信頼性向上技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:故障が発生したときに対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高めることを、フォールトアボイダンスという。
要点:フォールトアボイダンスは故障そのものを起こさせない予防の考え方
フォールトアボイダンス(故障回避)は、高品質な部品の採用や品質管理によって、そもそも故障が起きないようにする考え方です。これに対しフォールトトレランスは、故障の発生を前提に影響を抑える考え方で、フェールセーフ・フェールソフト・フォールトマスキングはそちらに属します。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問47(IPA)解説で登場
フェールセーフの考えに基づいて設計したものはどれか。
正解:交通管制システムが故障したときには、信号機に赤色が点灯するようにする。
要点:フェールセーフは故障時に安全な側の状態へ移行させる設計
フェールセーフは、故障が起きたときにシステムを安全な側の状態へ移行させる設計思想である。交通管制システムが故障したときに信号機を赤にすれば、車両は停止するため事故が起こりにくい。故障しても機能を維持するフェールソフトや、誤操作をさせないフールプルーフとは区別する。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問13(IPA)解説で登場
信頼性設計においてフールプルーフを実現する仕組みの一つであるインタロックの例として、適切なものはどれか。
正解:動作中の機械から一定の範囲内に人間が立ち入ったことをセンサが感知したとき、機械の動作を停止させる仕組み
要点:インタロックは危険条件で動作を止めるフールプルーフの仕組み
フールプルーフは、利用者の誤操作や危険な状態を機器側で未然に防ぐ考え方であり、インタロックは条件が満たされないと動作させない(あるいは危険を検知して止める)安全機構を指す。人が危険範囲に入ったことをセンサが検知して機械を停止させる仕組みは、まさにこのインタロックの例である。フェールセーフやフェールソフトとの違いを区別しておきたい。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問13(IPA)解説で登場
システムの信頼性設計に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:フォールトアボイダンスとは、システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
要点:フォールトアボイダンスは故障の発生自体を防ぐ考え方
フォールトアボイダンスは、部品や工程の品質を高めて故障そのものを起こさせない、という考え方です。これに対し、故障が起きる前提で影響を抑えるのがフォールトトレランス(冗長化などで機能を維持)やフェールセーフ(安全側に止める)、フェールソフト(機能を縮退して継続)です。
出典・参考
公式シラバスの2 コンピュータシステム > 1. システムの構成 > (7) 信頼性設計に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。