フォールトトレランスとは?ふぉーるととれらんす
フォールトトレランスとは、構成要素の一部が故障しても、システム全体としての機能を落とさずに動き続けさせる設計思想。あらかじめ冗長な要素を用意しておき、故障を検出したら自動で切り替える。故障は必ず起きるものと認めたうえで、起きた後にどう振る舞うかで備える立場に立つ点が特徴である。
最終更新:2026-10-06
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部品そのものを高信頼にする方向(フォールトアボイダンス)だけで支えようとすると、部品の数が増えるほど全体のどこかが壊れる確率は上がってしまい、限界がある。金融や通信のように停止が許されない領域では、壊れないことに投資し続けるより、壊れても止まらない構成に投資するほうが確実で費用の見通しも立つ。ただし冗長化はそのまま費用なので、要求される可用性の水準に応じて、どこを二重化するかを選ぶ判断が問われる。
具体例
ディスクを冗長化するRAIDでは、1台が故障してもパリティや複製から読み出しを続けられ、交換後に再構築する。サーバも複数台でクラスタを組み、片方が停止すればもう片方が処理を引き継ぐ。クラウドでは物理的に離れた複数の区域へ配置し、区域ごと障害が起きても稼働を続ける構成が標準的な選択肢として用意されている。
試験での引っ掛け
似た名前の設計思想との対応が定番の出題で、フォールトアボイダンスは故障の発生自体を防ぐ、フェールセーフは故障時に安全な側へ倒す、フェールソフトは機能を縮退させてでも運転を続ける、フールプルーフは誤った操作をされても危険にならないようにする、という区別になる。冗長化しても切替えが自動でなければ、その間の停止は避けられない点も見落としやすい。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち、可用性に該当するものはどれか。
正解:マスタファイルが置かれているサーバを二重化し、耐障害性の向上を図っていること
要点:可用性は使いたいときに使える状態を保つ観点
可用性は、必要なときにシステムやデータを利用できる度合いを指す。サーバを二重化して耐障害性を高める措置は、障害時にも利用を継続できるようにするものであり、可用性に該当する。機密性は不正な参照の防止、完全性はデータの正確性の確保に関する観点である。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問59(IPA)
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち、可用性に該当するものはどれか。
正解:マスタファイルが置かれているサーバを二重化し、耐障害性の向上を図っていること
要点:可用性は必要なときに使える状態を保つこと
可用性は、必要なときに情報や機能を利用できる度合いを指す。サーバを二重化して片方が故障しても処理を継続できるようにすることは、システムの停止時間を減らし利用可能性を高める施策なので、可用性に該当する。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問16(IPA)解説で登場
システムの信頼性向上技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:故障が発生したときに対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高めることを、フォールトアボイダンスという。
要点:フォールトアボイダンスは故障そのものを起こさせない予防の考え方
フォールトアボイダンス(故障回避)は、高品質な部品の採用や品質管理によって、そもそも故障が起きないようにする考え方です。これに対しフォールトトレランスは、故障の発生を前提に影響を抑える考え方で、フェールセーフ・フェールソフト・フォールトマスキングはそちらに属します。
出典:令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問13(IPA)解説で登場
システムの信頼性設計に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:フォールトアボイダンスとは、システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
要点:フォールトアボイダンスは故障の発生自体を防ぐ考え方
フォールトアボイダンスは、個々の構成要素の品質や信頼性を高めて故障そのものを起こりにくくする考え方である。これに対しフォールトトレランスは、故障が起きることを前提に冗長化などで機能を維持する考え方であり、両者は対をなす。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問13(IPA)解説で登場
システムの信頼性設計に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:フォールトアボイダンスとは、システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
要点:フォールトアボイダンスは故障の発生自体を防ぐ考え方
フォールトアボイダンスは、部品や工程の品質を高めて故障そのものを起こさせない、という考え方です。これに対し、故障が起きる前提で影響を抑えるのがフォールトトレランス(冗長化などで機能を維持)やフェールセーフ(安全側に止める)、フェールソフト(機能を縮退して継続)です。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。