WBS(ワークブレークダウンストラクチャ)とは?だぶりゅーびーえす
WBS(ワークブレークダウンストラクチャ)とは、プロジェクトの成果物と作業を、管理できる大きさまで段階的に階層分解した構成。最下位の要素がワークパッケージで、そこに作業内容・成果物・見積り・担当を対応させる。作業の抜け漏れを防ぎ、見積り・要員割当・進捗測定・責任分担の共通の土台になる。WBSとワークパッケージ、スコープ規定書を合わせてスコープベースラインとする。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
見積りも進捗も、何をやるのかの単位が人によって違えば足し合わせられない。作業を成果物基準で分け、同じ木構造を全員が見ることで、初めて工数の積み上げと進捗の集計が同じ土俵に乗る。スコープの追加要求が来たときに「その作業はこの木のどこにも無い」と示せることが、変更管理の出発点にもなる。
具体例
米国防総省とNASAが1960年代に大型調達の工程・原価管理のために体系化し、いまはMIL-STD-881として標準になっている。実務では「販売管理システム構築」→「受注サブシステム」→「受注入力機能」→「受注入力画面の設計」と分解し、最下位に工数と担当を割り当てる。
試験での引っ掛け
WBSは作業を漏れなく定義する道具であって、実施順序や依存関係は表さない(それはスケジュールネットワーク図の役割)。分解の基準は組織の部署ではなく成果物。計画時に全作業をワークパッケージまで割れない場合は、確定した部分から段階的に詳細化してよい。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問4(IPA)
PMBOKガイド第5版によれば,プロジェクトスコープマネジメントにおいて,WBSの作成に用いるローリングウェーブ計画法の説明はどれか。
正解:将来実施予定の作業については,上位レベルのWBSにとどめておき,詳細が明確になってから,要素分解して詳細なWBSを作成する。
要点:ローリングウェーブ法は直近だけ詳細化し先は概略のまま置く
ローリングウェーブ計画法は段階的詳細化の一形態で、近い将来の作業は詳細なレベルまで要素分解し、先の作業は上位レベルのまま置いておく。情報が明らかになった時点でその部分を詳細化していくため、不確実な段階で無理に細部を決め込むことによる手戻りを避けられる。
出典:平成29年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
WBSの構成要素であるワークパッケージに関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:ワークパッケージは,通常,アクティビティに分解される。
要点:ワークパッケージはWBS最下位要素でアクティビティに分解される
ワークパッケージはWBSの最下位レベルの要素で、コストと所要期間を見積もり、進捗を管理できる単位である。スケジュールを作成する際には、ワークパッケージをさらにアクティビティ(作業)へ分解して、順序付けや所要期間の見積りを行う。
出典:平成31年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
WBSを構成する個々のワークパッケージの進捗率を測定する方法のうち、ワークパッケージの期間が比較的長い作業に適した、重み付けマイルストーン法の説明はどれか。
正解:設計書のレビューを完了したら60%、社内承認を得たら80%というように、あらかじめ設定した作業の区切りを過ぎるごとに計上する進捗率を決めておく。
要点:重み付けマイルストーン法は節目ごとの進捗率を事前に定める
重み付けマイルストーン法は、ワークパッケージの途中に複数の中間節目を設定し、各節目の通過時点で計上する進捗率をあらかじめ決めておく方法である。期間が長い作業でも節目ごとに客観的な進捗が計上でき、作業が長期間0%のまま停滞して見えることを防げる。0/100法や50/50法のような固定比率法、期間の経過比で測る方法とは区別する。
出典:平成31年度 春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問12(IPA)
PMBOKガイド 第6版によれば、WBSの構成要素であるワーク・パッケージに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:ワーク・パッケージは、通常、アクティビティに分解される。
要点:ワーク・パッケージはWBS最下位でアクティビティに分解される
ワーク・パッケージはWBSの最下位に位置する要素で、コストと期間の見積り、進捗の管理を行う最小単位である。スケジュールを作成する際には、ワーク・パッケージをさらにアクティビティ(実施すべき作業)へ分解する。上位の成果物1つが複数のワーク・パッケージに分かれることもあり、1対1に限られるわけではない。
出典:令和4年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問3(IPA)
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)において、管理のプロセス群を構成するプロセスのうち、WBSが主要なインプットの一つとして示され…
正解:スコープの管理
要点:WBSはスコープの基準でありスコープの管理の入力になる
WBSはプロジェクトのスコープを階層的に分解した成果物であり、スコープが計画どおりに保たれているかを確認する際の基準になる。したがって管理プロセス群のうち、WBSを主要なインプットとするのはスコープの管理である。品質・変更・リスクの各管理は、それぞれ品質計画や変更要求、リスク登録簿などを主なインプットとする。
出典・参考
公式シラバスの2 プロジェクトの計画 > 2-4 WBS の作成に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。