監査証拠とは?かんさしょうこ
監査証拠とは、監査の結論や指摘を裏づける事実。十分性(量)と適切性(証明力と関連性)の両方が求められ、一般に監査人が自ら入手したもの、写しより原本、被監査部門の内部資料より外部から入手したものほど証明力が高いとされる。入手の経緯と評価は監査調書に記録して保存する。
最終更新:2026-10-07
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監査の結論は最終的に「監査人がそう判断した」という主観に見えかねず、それでは報告を受けた経営者が意思決定の根拠にできない。判断を第三者が後から追検証できる事実に結び付けるために、どの証拠をどう入手し何を根拠に結論づけたかを残す枠組みが要る。午前I(科目A-1)では、証拠の強さを比べさせる形で問われる。
具体例
アクセス権が適切という結論の裏づけとして、監査人が同席して取得した権限一覧のシステム出力、承認申請書の原本、人事部が持つ退職者リストとの突合結果を組み合わせて保持する。同じ「権限一覧」でも、被監査部門が加工して提出した表計算ファイルとは証明力が違う。
試験での引っ掛け
被監査部門が編集できる形式で提出した資料は証明力が低い。また量が多ければよいわけでもなく、監査目的に関連しない資料をいくら集めても十分性を満たしたことにはならない。監査証拠と監査証跡も別物で、証跡は取引の流れを追跡できる記録そのもの、証拠は結論を裏づけるために入手・評価した情報を指す。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問22(IPA)解説で登場
出典:令和2年度 10月試験 高度試験 午前Ⅰ 問22(IPA)
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち、システム監査基準(平成30年)に照らして、適切でないものはどれか。
正解:アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては、管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
要点:監査証拠は体裁ではなく十分性と適切性で判断する
システム監査基準では、監査証拠は文書の体裁が整っているかどうかではなく、監査意見を裏付けるのに十分かつ適切であるかで判断する。アジャイル開発では、タスクボードの記録や振り返りの議事メモ、ホワイトボードの写真、動くソフトウェアそのものなども有効な監査証拠になりうる。体裁の整った管理用ドキュメントだけに限定するという記述は適切でない。
出典:令和4年度 秋期 高度試験 午前Ⅰ 問22(IPA)解説で登場
システム監査における"監査手続"として、最も適切なものはどれか。
正解:監査項目について、十分かつ適切な証拠を入手するための手順
要点:監査手続は監査証拠を入手するための手順
監査手続とは、監査人が監査項目について結論を出すために、十分かつ適切な監査証拠を入手する手順のことをいう。具体的にはドキュメントの閲覧、担当者への質問、現場の観察、データの再計算などをどう組み合わせて実施するかを定めたものである。
出典:令和4年度 春期 高度試験 午前Ⅰ 問22(IPA)
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち、システム監査基準(平成30年)に照らして、適切でないものはどれか。
正解:アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては、管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
要点:監査証拠は文書の体裁でなく十分性と適切性で判断する
監査証拠は、体裁の整った管理用文書に限られない。アジャイル開発ではタスクボードや自動テストの結果、議事の記録など日々の作業から生じる記録も、監査目的に照らして十分かつ適切であれば証拠として利用できる。形式ではなく、証拠としての適切性と十分性で判断するのがシステム監査基準の考え方である。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 1. システム監査 > (5) システム監査の実施(予備調査,本調査,評価,結論)に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。