要件定義とは?ようけんていぎ
要件定義とは、システムに何をさせたいのかを、業務要件・機能要件・非機能要件として発注者(利用部門)側が決め、文書にまとめる工程。開発の最上流に置かれ、ここで決めた内容がその後の設計・プログラミング・テストすべての土台になる。性能・可用性・セキュリティのように「どんな機能か」ではなく「どの程度の品質か」を定めるものは非機能要件に分類される。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
システム開発を業者に任せきりにしていた時代は、出来上がってから「これでは今の業務が回らない」と分かる例が絶えなかった。作る側は現場の業務の実態を知らず、使う側は何をどこまで伝えれば足りるのかを知らないまま、口頭のやり取りだけで開発が進んだためである。そこで、作り始める前に「何を実現したいか」を発注者の言葉で確定させ、文書として合意する工程を独立して置くようになった。修正費用は工程が進むほど跳ね上がるので、利用部門の社員が要件定義に参加できるかが試験の出題意図にもなっている。
具体例
ニトリの店舗で使う在庫管理システムを入れ替えるなら、店舗と物流の担当者への聞き取りから「在庫が10個を下回ったら発注担当へ通知する」といった機能要件と、「レジの応答は1秒以内」「営業時間中は止めない」といった非機能要件を切り分け、要件定義書にまとめる。
試験での引っ掛け
決めるのは「何を求めるか」であって「どう実現するか」(設計)ではない。主語も発注者側で、ベンダーに丸投げして決めてもらう工程ではない点が問われる。機能要件と非機能要件の切り分けも頻出で、応答時間・稼働率・セキュリティは非機能要件。発注者が作る要件定義書と、ベンダーが出す提案書を取り違えないこと。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問19(IPA)
要件定義プロセスに含まれる作業はどれか。
正解:システム利用者のニーズの整理
要点:要件定義は利用者のニーズを整理し要求としてまとめる工程
要件定義プロセスは、システムに何を求めるかを明らかにする工程であり、利用者や関係者のニーズを収集・整理して合意することが中心となる。これより前の企画プロセスで投資対効果の検討やシステム化計画の策定を行い、これより後の開発プロセスで設計を進めるという位置付けである。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問29(IPA)
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問32(IPA)
あるシステムの開発において、システムを24時間連続稼働させることになった。稼働時間について利用部門と取決めを行う工程はどれか。
正解:システム要件定義
要点:稼働時間などの要件はシステム要件定義で利用部門と合意
稼働時間や応答性能、可用性といった、システムが満たすべき条件は、開発に入る前のシステム要件定義で利用部門と合意しておく必要がある。後工程の設計やテストは、この段階で定めた要件を実現し検証する工程であり、要件そのものを取り決める場ではない。
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問37(IPA)解説で登場
ソフトウェア要件として明確に規定すべきものはどれか。
正解:データ定義
要点:ソフトウェア要件では機能とともにデータ定義を明確化する
ソフトウェア要件定義では、そのソフトウェアが備えるべき機能や、扱うデータの項目・意味・関連といったデータ定義を明確にする。抽象的な目標や、実装方法にあたる内部設計、開発環境の仕様は、それぞれ別の工程で扱う事柄である。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問25(IPA)
システム開発における要件定義プロセスを説明したものはどれか。
正解:新たに構築する業務、システムの仕様、及びシステム化の範囲と機能を明確にし、それらをシステム取得者側の利害関係者間で合意する。
要点:要件定義は必要な機能と範囲を決め関係者間で合意する工程
要件定義プロセスは、企画で定めた方針を受けて、新しい業務の姿やシステムに求める機能・性能、システム化の範囲を具体化し、それを利用部門や経営層など取得者側の利害関係者の間で合意する工程である。方針と実現計画の策定は企画プロセス、方式設計や構築は開発プロセス、要件どおりかの確認はテストにあたる。
出典・参考
公式シラバスの3 システム戦略 > 23. 要件定義に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。