テストケース(テストデータと予想結果)とは?てすとけーす
テストケースとは、システムに入れてみる値(テストデータ)と、仕様どおりに動いたなら返ってくるはずの答え(予想結果)を、あらかじめ組にして一覧にしたものである。テストの本番では実際の画面の出力と予想結果を1件ずつ見比べ、食い違った行だけを不具合の候補として開発側に返す。ここで大事なのは、予想結果はプログラムを動かして出た値ではなく、料金表・社内規程・仕様書といった「正しさの元になる資料」から人が先に作っておくという点である。動かしてから答えを決めてしまうと、プログラムが間違っていても「その値が正解」になってしまい、テストが何も確かめないものになる。利用部門が参加する受入テストでも、業務のルールを一番よく知っているのは現場なので、予想結果を用意するのは現場の仕事になる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
「動かしてみて、おかしくなければ良し」でテストを済ませていると、確かめた人の頭の中にしか合否の基準がなく、別の人が同じテストをしても同じ結果にならない。何より、間違った動きを見ても「そういうものだ」と受け入れてしまう。そこで、入れる値と出るはずの答えを先に紙に書き出し、動かす前に基準を確定させておく。この順序があるから、テストが人によらず再現でき、後から「どこまで確かめたか」を示せるようになる。利用部門が受入テストで責任を持つのも、業務のルールという正解の元をもっているのは現場だけだからである。
具体例
家具の通販サイトで、配送料が「3辺合計60cmまでかつ5kgまで=区分1、90cmまでかつ10kgまで=区分2、それを超えると区分3」という料金表で決まるとする。区分の境目をまたぐ値として、60cm・5kg(区分1)、61cm・5kg(区分2)、90cm・10kg(区分2)、90cm・11kg(区分3)を選んでテストデータにし、料金表から読み取った金額をそれぞれ予想結果として書いておく。90cm・10kgの行で区分3の金額が表示されたら、「10kgまで」の境目の判定(「以下」と「未満」の取り違えなど)に誤りがあると分かる。
試験での引っ掛け
予想結果と実際の出力が違ったとき、出力に合わせて予想結果を書き換えるのは誤り。「動かしたらこう出たので予想結果を直した」では、テストが何も確かめないものになる。どちらが正しいかは、料金表や仕様書といった元の資料に戻って確かめ、予想結果の作り間違いと分かったときだけ予想結果を直し、そうでなければ不具合として開発側に返す。もう一つ、「試した10件が全部正しかったから不具合はない」とは言えない点も問われる。テストは不具合が在ることを示せても、無いことは示せない。テストデータは適当に選ぶのではなく、区分の境目の前後など、間違いが出やすいところを狙って選ぶ。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問42(IPA)解説で登場
入力と出力だけに着目して様々な入力に対して仕様書どおりの出力が得られるかどうかを確認していく、システムの内部構造とは無関係に外部から見た機能について検証するテス…
正解:ブラックボックステスト
要点:ブラックボックステストは内部構造を見ず入出力の仕様適合を確認
ブラックボックステストは、プログラムの内部構造を見ずに、仕様書で定めた入力に対して期待どおりの出力が得られるかという外部から見た振る舞いだけを検証する手法である。同値分割や限界値分析でテストデータを設計する。これに対しホワイトボックステストは内部の処理経路に着目する手法で、結合テストや運用テストはテストの工程区分を表す言葉である。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問53(IPA)
プログラムテストに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:テスト完了後のプログラムを修正した場合、修正部分を確認するテストデータを確認済みのテストデータに追加して再テストを行う方がよい。
要点:修正後は既存データも含めて再テスト(回帰テスト)する
プログラムを修正すると、その修正が既存の正常だった部分を壊すことがある。そのため、修正箇所を確かめるテストデータを既存の確認済みデータに追加し、全体をあらためて実行する回帰テスト(リグレッションテスト)を行うのが適切である。品質は設計段階から作り込むもので、エラーを起こす異常系データも必要であり、テストは作成者以外の視点も入れるのが望ましい。
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問89(IPA)
〔中問A:ソフトウェアのテストに関する記述〕Mさんは、総務課のNさんから宅配荷物の発送業務で利用する料金計算プログラム(以下、プログラムという)の作成を依頼され…
正解:要件から考えられるケースを網羅するテストデータを準備し、すべてのケースを漏れなくテストするため。
要点:条件の組合せ表はテストケースの網羅に使う
出力結果表は、地区とサイズ区分の条件の組合せをすべて並べ、それぞれについて正しい出力を先に書き出したものである。組合せを表として整理することで、条件の抜けや重複が目で確認でき、要件から導けるすべてのケースを漏れなくテストできる。
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問90(IPA)
〔ストラテジ〕表2の出力結果表のaに入る予想出力はどれか。
正解:2,000
要点:サイズ区分は3辺計と重量の大きいほうを適用する
サイズ区分は3辺計と重量それぞれで求めた区分のうち、大きいほうを適用する。該当する列は3辺計が80cmまでで区分1、重量が20kgまでで区分3にあたるため、適用されるのは区分3になる。地区Aの区分3の料金を料金表から読み取ると2,000円である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。