しきい値とは?しきいち
しきい値とは、ある判定で、結果を分ける境目としてあらかじめ決めておく値。値がこれを超えるか(または下回るか)で、通す・止める、本人とみなす・みなさないなどが切り替わる。ip では、生体認証(指紋や顔で本人を確かめる方式)の判定と、IT統制(業務をシステムで正しく管理する仕組み)の承認の条件で出る。生体認証では、しきい値を厳しくすると他人が通ってしまう割合(他人受入率)は下がるが、本人がはじかれる割合(本人拒否率)は上がり、ゆるくすると逆になる。
最終更新:2026-10-10
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指紋は押すたびに少しずつ形がずれ、顔も明るさや角度で写り方が変わるので、登録した情報と完全に一致することはまずない。取引の金額にも大小がある。どこで線を引くかを先に決めておけば、システムが毎回同じ基準で自動的に判定でき、人が確かめるべきものだけを選び出せる。
具体例
Appleは、iPhoneの顔認証Face IDで他人がロックを解除できてしまう確率(他人受入率に当たる)を「100万分の1未満」と説明している。生体認証では一般に、しきい値を厳しくして他人受入率を下げるほど本人がはじかれる場面も増える。iPhoneでも顔で解除できないときはパスコード(暗証番号)の入力に切り替えられ、本人がはじかれたときの逃げ道になっている。経費精算システムなら「1件10万円を超えたら部長の承認を求める」のように金額のしきい値を決め、超えたものだけ人が確かめる。過去問では、この形を「システムが条件を判定して人の判断を促す統制」として問う。
試験での引っ掛け
他人受入率と本人拒否率は、しきい値を動かすと一方が下がり一方が上がる関係(トレードオフ)で、両方を同時に下げることはできない。他人受入率を低くすると安全性が、本人拒否率を低くすると使いやすさが高まる。この対応を逆にした選択肢に注意。読みは「しきいち」で、「いきち」とも読む。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問52(IPA)解説で登場
ITを利用した業務処理の統制のうち,ソフトウェアによる自動処理と人手による処理を組み合わせた統制について記述しているものはどれか。
正解:営業員が入力した発注金額がある額を超えると管理者の承認操作を必要とするので,取引内容の適切性が複数の目で確認できる。
要点:自動判定+人の承認が自動処理と手作業を組み合わせた統制
自動処理と人手の処理を組み合わせた統制とは、システムが条件を判定して人の関与を促し、人が判断して承認するという形の統制を指す。金額がしきい値を超えたときにソフトウェアが承認操作を要求し、管理者が内容を確認して承認する仕組みはこれに当たり、機械的な検出と人の判断を組み合わせることで牽制が働く。全自動の処理や、入力担当者を工夫するだけの手作業統制とは異なる。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験 問76(IPA)解説で登場
バイオメトリクス認証に関する記述として、適切なものはどれか。
正解:筆跡やキーストロークなどの本人の行動的特徴を利用したものも含まれる。
要点:生体認証は行動的特徴も含み、誤認証は完全には無くせない
バイオメトリクス認証は身体的特徴だけでなく、筆跡やキーストロークの癖といった行動的特徴を使うものも含む広い概念である。また生体情報は完全に一致するとは限らないため判定にしきい値を設けており、他人受入率と本人拒否率のトレードオフが必ず存在する。
出典:令和3年度 秋期 ITパスポート試験 問69(IPA)解説で登場
バイオメトリクス認証における認証精度に関する次の記述中の[a]、[b]に入れる字句の適切な組合せはどれか。 バイオメトリクス認証において、誤って本人を拒否する確…
正解:a: 本人拒否率 b: 他人受入率
要点:本人拒否率は利便性、他人受入率は安全性に対応
本人拒否率が高いと正しい利用者が何度も弾かれて使いにくいため、これを低くすると利便性が高まる。他人受入率が高いと他人が本人になりすまして通ってしまうため、これを低くすると安全性が高まる。両者は判定のしきい値を通じてトレードオフの関係にある。
出典:令和5年度 秋期 ITパスポート試験 問47(IPA)
あるホスティングサービスのSLAの内容にa〜cがある。これらと関連するITサービスマネジメントの管理との適切な組合せはどれか。 a サーバが稼働している時間 b…
正解:サービス可用性管理:a、容量・能力管理:b、情報セキュリティ管理:c
要点:稼働時間は可用性、資源監視は容量、不正検知はセキュリティ
サーバが稼働している時間は、サービスを使える状態にどれだけ保てているかを示すのでサービス可用性管理に対応する。ディスク使用量のしきい値超過の検知と通知は、資源の余力を監視する容量・能力管理の領域である。不正アクセスの検知と通知はセキュリティ事象への対応なので情報セキュリティ管理に該当する。
出典:令和7年度 秋期 ITパスポート試験 問99(IPA)解説で登場
関数calculateAmountOfPrizeは、業務改善の効果における改善額と短縮期間を、それぞれimprovementとperiodで受け取り、賞金額を戻…
正解:3,000
要点:改善額と短縮期間のしきい値で賞金額が四通りに分かれる
改善額20万円は10万円以上、短縮期間3日は7日未満なので賞金は2,000円になります。改善額5万円は10万円未満、短縮期間14日は7日以上なので賞金は1,000円です。両者を足すと3,000円となります。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。