複製権とは?ふくせいけん
複製権とは、著作物を印刷・複写・撮影・録音・録画などの方法で有形的に再製する(形のある複製物をもう一つ作る)ことを、著作権者だけができるとする権利。著作権法第21条が定める著作財産権の一つで、公衆送信権・頒布権・譲渡権・貸与権と同じく財産的な利益を守る側に属する。財産権なので契約で他人に譲渡でき、譲り受けた者はその範囲で自由にコピーして使える。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
印刷機や複写機が普及すると、他人の作品を手間をかけずに大量に写して売ったり配ったりできるようになった。作った人の手元に対価が戻らなければ、時間と費用をかけて作品を生み出す動機が失われる。そこで「写して増やすこと」そのものを権利者の許可の対象にし、勝手なコピーに歯止めをかけた。著作権のなかで最も基本となる権利で、英語の copyright(コピーする権利)という呼び名もここから来ている。
具体例
新人研修の資料に、市販の参考書のページを丸ごとスキャンして全員分印刷すれば、出版社や著者の複製権に触れる。社内の会議資料として日本経済新聞の記事をコピーして配る場合も、業務での利用なので個人の私的使用には当たらず、許諾が要る。一方、自分が買ったソフトウェアを壊れたときに備えてバックアップしておくことは、プログラムの複製物の所有者に認められた範囲の複製として許される。基本情報の過去問では、著作物の著作権(複製権を含む)を譲り受けた側なら、社内で印刷して配るのも、バックアップのために複製して保管するのも譲り受けた複製権の範囲でできる、という形で問われた。
試験での引っ掛け
複製権は譲渡できる財産権で、譲渡できない著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)とは別物である。「著作権を譲り受けたのだから作成者名も書き換えられる」は誤りで、氏名表示権は作った人に残る。また、インターネットで公開する行為は複製だけでなく公衆送信権の問題にもなるので、「サーバに置くのは複製権だけの問題」とする選択肢にも注意する。自分や家族の範囲で使うための私的使用の複製は例外として許されるが、会社の業務での利用はこの例外に入らない。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問79(IPA)解説で登場
著作者人格権に該当するものはどれか。
正解:自らの意思に反して著作物を変更、切除されない権利
要点:著作者人格権は公表権・氏名表示権・同一性保持権の三つ
著作者人格権は、著作者本人の人格的な利益を守る権利で、公表権、氏名表示権、同一性保持権の三つから成る。自分の意に反して作品を改変されない権利は同一性保持権に当たり、著作者人格権に含まれる。複製権や公衆送信権、貸与権は財産的な利益に関わる著作権(財産権)であり、譲渡できる点も人格権と異なる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。