著作権の譲渡とは?ちょさくけんのじょうと
著作権の譲渡とは、著作物を複製・公開・改変などして利用する権利(著作権のうちの財産的な権利)を、契約によって他人へ移すこと。著作権法では全部をまとめても一部だけでも譲渡できるが、著作者人格権(氏名表示権・同一性保持権など)は著作者だけのもので、譲渡できない。システム開発では、作ったプログラムの著作権を発注者が得たいとき、契約で譲渡を明記しておく必要がある。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
著作権は、作品を作った時点で届出なしに作った人に生まれる。外部の会社にお金を払ってプログラムを作ってもらっても、払った側に権利が自動で移るわけではない。そのため、納品後に発注者が自由に改修したり別の会社に保守を頼んだりしようとして、作った側と争いになることがあった。権利の行き先を契約で決めておくための手段が譲渡である。
具体例
ユニクロを展開するファーストリテイリングが、ネット通販のスマホアプリの開発を外部のシステム会社に請負契約で頼んだとする。契約に著作権の譲渡を書いていなければ、アプリのプログラムの著作権は作ったシステム会社に残り、発注者は契約で認められた範囲でしか使えない。譲渡を定め、翻案権(改変する権利)も含めると明記し、あわせて著作者人格権を行使しない取決めを入れておけば、発注者は後から自由に改修できる。
試験での引っ掛け
請負で作ったプログラムの著作権は、特約がなければ発注者ではなく受託者(作った会社)に帰属する、が定番の正解。派遣の場合はこれと対比して問われる。派遣で来た人は派遣先の指揮命令の下で働くので、会社の仕事として社員が作った著作物は会社を著作者とする「職務著作」の決まりにより、作ったプログラムの著作権は派遣先のものになる。また、契約に「著作権をすべて譲渡する」とだけ書いても、プログラムを改変する権利(翻案権)と、改変して作ったものを利用する権利は自動では移らず、契約で名指ししていなければ譲渡した側に残ったものと推定される(法律上の推定なので、反対の事情を示せば覆ることもある)。移したいなら、この 2 つも譲渡すると契約に明記する必要がある。譲渡は権利そのものが移るもので、権利者が残ったまま使わせるだけの利用許諾(ライセンス)とは違う。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問80(IPA)解説で登場
A社がシステム開発を行うに当たり,外部業者であるB社を利用する場合の契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:請負契約によるシステム開発では,特に契約に定めない限り,B社が開発したプログラムの著作権はB社に帰属する。
要点:請負で作ったプログラムの著作権は特約がなければ受託者に
請負契約では、受託者が自らの裁量で仕事を完成させるため、特約がない限り成果物であるプログラムの著作権は受託者であるB社に帰属する。発注者が権利を得たい場合は、契約で著作権の譲渡を明記しておく必要がある。実務上、この取決め漏れがしばしば問題になる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。