著作者人格権とは?ちょさくしゃじんかくけん
著作者人格権とは、著作者の人格的な利益を守るために与えられる権利で、公表権・氏名表示権・同一性保持権の3つから成る。未公表の著作物を世に出すかどうか、著作者名をどう表示するか、内容を意に反して改変されないかを決められる。財産権である著作権とは別の権利で、譲渡も相続もできない一身専属の権利である。
最終更新:2026-10-09
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著作物には、複製して売れば金になるという財産としての側面と、作者の考えの表れという人格の側面がある。財産の側だけを守る仕組みでは、権利を売り渡した途端に作者名を消され、内容を意図と正反対に書き換えられても止められない。金銭で移転できる権利と、作者本人から切り離せない権利を分けて置くことで両方を守る形にしたのが、日本の著作権法の構成である。
具体例
受託開発したプログラムの著作権(財産権)を発注者へ譲渡する契約を結んでも、著作者人格権は開発した側に残る。そのため譲渡だけでは発注者が自由に改変できるとは限らず、実務では契約書に「著作者人格権を行使しない」という条項を置くのが一般的になっている。
試験での引っ掛け
著作権(財産権)との混同が定番。複製権や公衆送信権は譲渡できるが、著作者人格権は譲渡も相続もできず、契約でできるのは行使しないと約束することまでである。またプログラムについては、バグ修正や機能追加のための改変が同一性保持権の例外として認められており、改変を一律に侵害と答えると誤りになる。
関連用語
出た過去問
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問79(IPA)
著作者人格権に該当するものはどれか。
正解:自らの意思に反して著作物を変更、切除されない権利
要点:著作者人格権は公表権・氏名表示権・同一性保持権の三つ
著作者人格権は、著作者本人の人格的な利益を守る権利で、公表権、氏名表示権、同一性保持権の三つから成る。自分の意に反して作品を改変されない権利は同一性保持権に当たり、著作者人格権に含まれる。複製権や公衆送信権、貸与権は財産的な利益に関わる著作権(財産権)であり、譲渡できる点も人格権と異なる。
出典:令和8年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問20(IPA)
A社は,自社の業務可視化をB社に委託しその成果物として納品された業務フロー図をC社に提示することによって,業務システムの開発をC社に委託することを検討している。…
正解:納品された業務フロー図の各ページに作成者名として記されているB社の企業名をA社の企業名に変更し,C社に提示することはできない。
要点:著作者人格権は譲渡不可。作成者名の書換えはできない
契約で著作権が譲渡されているため、複製・配布・第三者への提供といった財産権の行使はA社が自由に行える。一方、著作者人格権は著作者に一身専属(本人だけに属し他人へ移せない)で譲渡できず、その一つである氏名表示権によって、作成者名の表示を勝手に別の企業名へ変更することは許されない。したがってB社名をA社名に書き換えて提示することが制約となる。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 1. 知的財産権 > (2) 著作権法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。