アクセス時間とは?あくせすじかん
アクセス時間とは、記憶装置に読み書きの要求を出してから、データの受渡しが終わるまでにかかる時間。主記憶(メモリ)では読出しの指示からデータが出てくるまでの時間を指し、次の読出しを始められるまでの間隔であるサイクル時間とは区別する。ハードディスクでは、平均シーク時間(読み書きする部品を目的の位置まで動かす時間)+平均回転待ち時間(目的の場所が回ってくるまでの時間)+データ転送時間で求める。キャッシュメモリを使う場合は、実効アクセス時間で比べる。実効アクセス時間は、キャッシュに目的のデータがあったとき(ヒット)の時間と、無くて主記憶まで取りに行ったときの時間を、それぞれが起こる割合に応じて平均した実質の平均時間で、ヒット率(キャッシュに目的のデータがある割合)× キャッシュのアクセス時間 +(1 − ヒット率)× 主記憶のアクセス時間 で求める。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
CPU は記憶装置よりはるかに速く動くので、処理が遅いかどうかはデータを取りに行く時間で決まることが多い。装置ごとに「どれだけ待たされるか」を同じ物差しで測れなければ、キャッシュメモリを付けるか、SSD に替えるかといった判断ができない。そこで、要求から受渡し完了までを1つの時間として表し、平均で比べるようにした。
具体例
Seagate のデスクトップ向けハードディスクには毎分7,200回転の製品がある。1回転にかかる時間は 60秒 ÷ 7,200 ≒ 8.3ミリ秒で、目的の場所は平均して半回転待てば回ってくるので、平均回転待ち時間は約4.2ミリ秒になる。これに平均シーク時間とデータ転送時間を足したものが平均アクセス時間である。キャッシュの例では、キャッシュのアクセス時間10ナノ秒、主記憶60ナノ秒、ヒット率90%なら、実効アクセス時間は 0.9 × 10 + 0.1 × 60 = 15ナノ秒になる。
試験での引っ掛け
回転待ち時間は1回転の時間ではなく、平均として半回転分を使う。ここで1回転分を足してしまう誤りが多い。実効アクセス時間の式では、ヒットしなかった割合(1−ヒット率)に主記憶のアクセス時間を掛ける点を取り違えやすい。また「アクセス時間」と「サイクル時間」は別の量で、主記憶のサイクル時間はアクセス時間以上の長さになる。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問19(IPA)
図のメモリマップで、セグメント2が解放されたとき、セグメントを移動(動的再配置)し、分散する空き領域を集めて一つの連続領域にしたい。1回のメモリアクセスは4バイ…
正解:12.0
要点:コンパクションの時間=移動バイト数÷アクセス幅×(読+書)時間
セグメント2(100kバイト)が解放されると、その下にあるセグメント3(800kバイト)を100kバイト分だけ前に詰めることで、後方の空きを800k+100kの連続領域にできる。移動対象はセグメント3の800,000バイトで、4バイトずつ読んで書くので 800,000÷4 = 200,000回の読取りと同数の書込みが必要になる。1組あたり30+30=60ナノ秒なので、200,000×60ns = 12,000,000ns = 12ミリ秒である。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問10(IPA)
A〜Dを、主記憶の実効アクセス時間が短い順に並べたものはどれか。
正解:A, D, B, C
要点:実効アクセス時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
キャッシュがある場合の実効アクセス時間は、ヒット率×キャッシュ時間+(1−ヒット率)×主記憶時間で求める。Cは0.6×20+0.4×70=12+28=40ナノ秒、Dは0.9×10+0.1×80=9+8=17ナノ秒となる。キャッシュのないAは15、Bは30なので、短い順にA・D・B・Cとなる。
出典:令和4年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問12(IPA)
A〜Dを、主記憶の実効アクセス時間が短い順に並べたものはどれか。
正解:A, D, B, C
要点:実効アクセス時間はヒット率による加重平均で求める
キャッシュがない場合の実効アクセス時間は主記憶の値そのもので、Aが15ナノ秒、Bが30ナノ秒である。キャッシュがある場合はヒット時とミス時の時間をヒット率で加重平均する。Cは20×0.6+70×0.4=12+28=40ナノ秒、Dは10×0.9+80×0.1=9+8=17ナノ秒となる。短い順に並べると15、17、30、40なのでA、D、B、Cである。
出典:令和6年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問3(IPA)
図に示す構成で、表に示すようにキャッシュメモリと主記憶のアクセス時間だけが異なり、他の条件は同じ2種類のCPU XとYがある。 あるプログラムをCPU XとYと…
正解:0.90
要点:平均アクセス時間を式に置き等号で結んでヒット率を解く
ヒット率をpとすると平均アクセス時間は、CPU Xが 40p+400(1−p)、CPU Yが 20p+580(1−p) と表せる。処理時間が等しいので両式を等号で結ぶと 400−360p = 580−560p となり、200p = 180 からp=0.9が得られる。ヒット率が高いほど主記憶の遅さの影響が薄れる点を式で確かめる問題である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。