キャッシュメモリとは?きゃっしゅめもり
キャッシュメモリとは、CPUと主記憶の速度差を埋めるために、その間に置く小容量で高速なメモリ。直前に読んだデータとその近くの番地を保持しておき、次に同じ場所を参照したときは主記憶まで行かずに返す。目的のデータがキャッシュにあった割合をヒット率と呼び、ヒット率から平均のアクセス時間(実効アクセス時間)を求める計算が基本情報技術者試験の定番の出題。
最終更新:2026-10-09
この語が出る過去問を解く →背景
CPUの動作速度は年々上がったが、主記憶の速度は同じ比率では上がらず、CPUが待たされる時間の割合が大きくなった。全部を高速なメモリにすれば解決するが、高価で大容量にできない。ただしプログラムのアクセス先には「同じ場所を何度も使う」「近くの番地を続けて使う」という偏り(局所性)があるため、少量でも十分に効く。
具体例
キャッシュのアクセス時間20ナノ秒、主記憶100ナノ秒、ヒット率95%なら、実効アクセス時間は20×0.95+100×0.05=24ナノ秒となり、主記憶だけを使う場合の4分の1近くまで縮む。実際のCPUは速度と容量の違うキャッシュを1次・2次・3次と多段に積んでいる。
試験での引っ掛け
ヒット率をいくら上げても、実効アクセス時間がキャッシュのアクセス時間より速くなることはない。ミスしたときの時間を「主記憶の時間」とするか「キャッシュ+主記憶」とするかは問題文の定義に従い、勝手に足し引きしない。書込み方式(主記憶にも同時に書くライトスルーと、キャッシュだけに書いて追い出すときに主記憶へ書き戻すライトバック)の違いも問われる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問11(IPA)
キャッシュメモリの効果として,適切なものはどれか。
正解:主記憶から読み出したデータをキャッシュメモリに保持し,CPUが後で同じデータを読み出すときのデータ転送を高速に行う。
要点:キャッシュは再参照されるデータを保持し主記憶待ちを減らす
キャッシュメモリは、CPUと主記憶の速度差を埋めるためにCPUの近くに置く小容量で高速な記憶装置である。一度主記憶から読み出したデータをここに残しておき、同じ番地が再び参照されたときはキャッシュから返すことで、遅い主記憶へのアクセスを省ける。プログラムが同じ場所を繰り返し参照しやすいという局所性の性質が、この仕組みが効く前提になっている。
出典:平成30年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問11(IPA)
キャッシュメモリに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:データ書込み命令を実行したときに、キャッシュメモリと主記憶の両方を書き換える方式と、キャッシュメモリだけを書き換えておき、主記憶の書換えはキャッシュメモリから当該データが追い出されるときに行う方式とがある。
要点:キャッシュの書込みにはライトスルーとライトバックの2方式がある
キャッシュへの書込みには、キャッシュと主記憶を同時に更新するライトスルー方式と、キャッシュだけを更新しておいて追い出し時に主記憶へ書き戻すライトバック方式の2種類がある。前者は主記憶との整合が常に取れ、後者は主記憶へのアクセス回数が減って高速という違いがある。キャッシュミス時のデータ転送はハードウェアが自動で行い、プログラムや割込みは介在しない。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問21(IPA)解説で登場
メモリセルにフリップフロップ回路を利用したものはどれか。
正解:SRAM
要点:SRAMはフリップフロップで記憶しリフレッシュ不要
SRAMは1ビットを複数のトランジスタで構成したフリップフロップ回路で保持する。電源が供給されている限り状態が保たれるためリフレッシュ動作が不要で、高速だが1ビットあたりの回路規模が大きく高価になる。この特性からキャッシュメモリなど容量より速度が求められる用途に使われる。
出典:令和6年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問3(IPA)
図に示す構成で、表に示すようにキャッシュメモリと主記憶のアクセス時間だけが異なり、他の条件は同じ2種類のCPU XとYがある。 あるプログラムをCPU XとYと…
正解:0.90
要点:平均アクセス時間を式に置き等号で結んでヒット率を解く
ヒット率をpとすると平均アクセス時間は、CPU Xが 40p+400(1−p)、CPU Yが 20p+580(1−p) と表せる。処理時間が等しいので両式を等号で結ぶと 400−360p = 580−560p となり、200p = 180 からp=0.9が得られる。ヒット率が高いほど主記憶の遅さの影響が薄れる点を式で確かめる問題である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。