ヒット率とは?ひっとりつ
ヒット率は、CPUが読みたいデータを探したとき、目的のデータがキャッシュメモリ(CPUと主記憶の間に置く、小さく高速なメモリ)の中に見つかる割合。見つからない割合(1−ヒット率)はミス率と呼ぶ。ヒット率は、主記憶を含めた見かけの平均アクセス時間である実効アクセス時間の計算に使う:実効アクセス時間 = ヒット率 × キャッシュのアクセス時間 +(1 − ヒット率)× 主記憶のアクセス時間。ヒット率が高いほど、遅い主記憶まで取りに行く回数が減り、実効アクセス時間は短くなる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
CPUの処理速度に比べて主記憶の読み書きは大幅に遅く、CPUが主記憶からのデータを待つ時間が性能の足かせになっていた。よく使うデータを高速なキャッシュメモリに置けば待ち時間は減るが、キャッシュは容量が小さいため、すべてのデータは入らない。キャッシュがどれだけ役に立っているかを数字で比べるために、見つかった割合という物差しが必要になった。
具体例
fe-2019h-am-10 の構成Dは、キャッシュのアクセス時間が10ナノ秒、主記憶が80ナノ秒、ヒット率が0.9である。実効アクセス時間は 0.9 × 10 + 0.1 × 80 = 9 + 8 = 17ナノ秒となり、主記憶だけの80ナノ秒よりはるかに短くなる。逆に、2つのCPUの処理時間が等しくなるヒット率を求める問題(fe-2024u-kamokuA-3)では、ヒット率を p と置いて両方の実効アクセス時間の式を等しいとおき、p を求める。
試験での引っ掛け
式の組み合わせを逆にする誤りが狙われる。ヒット率はキャッシュのアクセス時間に掛け、(1 − ヒット率)は主記憶のアクセス時間に掛ける。また、ヒット率が同じでも、キャッシュや主記憶の速さが違えば実効アクセス時間は変わるので、「ヒット率が高い構成ほど必ず速い」とは限らない(fe-2022s-kamokuA-12 のように、キャッシュの無い構成のほうが速い場合もある)。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問10(IPA)解説で登場
A〜Dを、主記憶の実効アクセス時間が短い順に並べたものはどれか。
正解:A, D, B, C
要点:実効アクセス時間=ヒット率×高速側+ミス率×低速側
キャッシュがある場合の実効アクセス時間は、ヒット率×キャッシュ時間+(1−ヒット率)×主記憶時間で求める。Cは0.6×20+0.4×70=12+28=40ナノ秒、Dは0.9×10+0.1×80=9+8=17ナノ秒となる。キャッシュのないAは15、Bは30なので、短い順にA・D・B・Cとなる。
出典:令和4年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問12(IPA)解説で登場
A〜Dを、主記憶の実効アクセス時間が短い順に並べたものはどれか。
正解:A, D, B, C
要点:実効アクセス時間はヒット率による加重平均で求める
キャッシュがない場合の実効アクセス時間は主記憶の値そのもので、Aが15ナノ秒、Bが30ナノ秒である。キャッシュがある場合はヒット時とミス時の時間をヒット率で加重平均する。Cは20×0.6+70×0.4=12+28=40ナノ秒、Dは10×0.9+80×0.1=9+8=17ナノ秒となる。短い順に並べると15、17、30、40なのでA、D、B、Cである。
出典:令和6年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目A 問3(IPA)
図に示す構成で、表に示すようにキャッシュメモリと主記憶のアクセス時間だけが異なり、他の条件は同じ2種類のCPU XとYがある。 あるプログラムをCPU XとYと…
正解:0.90
要点:平均アクセス時間を式に置き等号で結んでヒット率を解く
ヒット率をpとすると平均アクセス時間は、CPU Xが 40p+400(1−p)、CPU Yが 20p+580(1−p) と表せる。処理時間が等しいので両式を等号で結ぶと 400−360p = 580−560p となり、200p = 180 からp=0.9が得られる。ヒット率が高いほど主記憶の遅さの影響が薄れる点を式で確かめる問題である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。