ACID特性とは?アシッドとくせい
ACID特性とは、トランザクションが備えるべき4つの性質の総称で、原子性(Atomicity)・一貫性(Consistency)・隔離性(Isolation)・耐久性(Durability)の頭文字を並べたもの。DBMSがこれらを引き受けるおかげで、アプリケーション側は障害や同時実行を意識せずに更新を書ける。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
複数の利用者が同時に更新し、しかも障害がいつでも起こり得る環境で業務データを預かるには、「どこまでDBMSが守るのか」を明文化した契約が要る。ACIDはその契約であり、ログによるロールバックとロールフォワード、ロックやMVCCによる同時実行制御といった実装は、すべてこの4つを満たすための手段として位置づけられる。分散環境で何を諦めるかを論じるときの基準線にもなる。
具体例
受注確定で在庫を減らし受注明細を書く処理では、両方が反映されるか一切反映されないか(原子性)、在庫がマイナスになる制約違反を残さないか(一貫性)、同時実行の途中経過が他から見えないか(隔離性)、コミット後は電源断でも失われないか(耐久性)を、DBMSがまとめて保証する。
試験での引っ掛け
頭文字が同じ語との取り違えが定番。ACIDのCは1つのDBが制約を満たすこと、CAP定理のCは複製間で同じ値が見えることで、別の概念を指す。IはIsolation(隔離性・独立性)であってIntegrity(完全性)ではない。さらに、隔離性水準を選んで緩められるのはIだけで、AとDは水準で下げられない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(IPA)
トランザクションのACID特性の説明として、適切なものはどれか。
正解:トランザクションの実行の結果が矛盾した状態になることはない。
要点:一貫性は実行の前後で矛盾のない状態が保たれること
ACID特性の一貫性(consistency)は、トランザクションの実行前後でデータベースが矛盾のない状態に保たれることを意味する。原子性により中途半端な状態は残らず、耐久性によりコミット済みの結果は障害後も失われず、独立性により同時実行の影響を受けない。
出典:令和4年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(IPA)
トランザクションのACID特性のうち、原子性(atomicity)の記述として、適切なものはどれか。
正解:トランザクションの処理が全て実行されるか、全く実行されないかのいずれかで終了すること
要点:原子性は全実行か全未実行かのどちらかで終わること
原子性は、トランザクションを構成する処理が全部実行されるか1つも実行されないかのどちらかに収まり、中途半端な状態で終わらないことを指す。途中で異常が起きた場合はロールバックによって開始前の状態へ戻される。よってウが正しい。
出典:令和7年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16(IPA)解説で登場
二つのトランザクションT1とT2を並列に実行した結果が、T1の完了後にT2を実行した結果、又はT2の完了後にT1を実行した結果と等しい場合、このトランザクション…
正解:直列化可能
要点:並行実行の結果が直列実行と一致すれば直列化可能
複数のトランザクションを同時に実行しても、その結果がどれか1つの順番で1件ずつ実行した場合の結果と一致するなら、そのスケジュールは直列化可能であるという。並行実行の正しさの基準であり、ACID特性のうち隔離性を実現するための具体的な判定条件にあたる。2相ロッキングプロトコルはこの性質を保証する手段である。
出典・参考
高度試験 午前I(高度午前I 相当)のシラバスの3 技術要素 > 1. データベース方式 > (2) データベース管理システムに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。