内部統制とは?ないぶとうせい
内部統制とは、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、法令の遵守、資産の保全という目的を達成するために、経営者が組織へ整備し運用する仕組み。統制環境・リスクの評価と対応・統制活動・情報と伝達・モニタリング・ITへの対応という6つの基本的要素で構成される。
最終更新:2026-10-06
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組織が大きくなると、経営者が一人ひとりの業務を見ることはできなくなる。粉飾決算や横領が起きてから発覚する事態を避けるため、個人の誠実さに頼らず、職務分掌・承認手続・記録という仕組みの側で不正が起こりにくい構造を作るという考え方が定着した。日本では金融商品取引法が上場企業に内部統制報告書の提出を義務づけている。
具体例
発注する人・検収する人・支払う人を分ける職務分掌は、一人では完結できない構造を作って不正を抑える典型的な統制活動。会計システムで承認者以外は仕訳を確定できないよう権限を設定するのは、ITに係る業務処理統制にあたる。
試験での引っ掛け
内部統制は経営者が構築・運用するもので、それが有効に機能しているかを独立した立場から評価するのがシステム監査。監査人が統制を作る側へ回ると独立性を失う。経営者による無効化・複数人の共謀・想定外の事象という固有の限界があり、不正を完全には防げない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
金融庁の"財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準"における"ITへの対応"に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:ITの統制は、ITに係る全般統制及びITに係る業務処理統制から成る。
要点:ITの統制は全般統制と業務処理統制の2区分から成る
同基準では、ITの統制を「ITに係る全般統制」と「ITに係る業務処理統制」の2つに区分しています。全般統制は開発・運用・アクセス管理など業務処理統制が有効に機能する環境を保証するもので、業務処理統制は個々の業務処理が正確に行われることを担保するものです。IT環境は企業外部の利用状況も含み、手作業だけの内部統制も直ちに不備とはされません。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58(IPA)
システム監査における,サンプリング(試査)に関する用語の説明のうち,適切なものはどれか。
正解:許容逸脱率とは,受け入れることができる所定の内部統制からの逸脱率であり,監査人がサンプルの件数を決めるときに用いられる指標である。
要点:許容逸脱率は受入れ可能な逸脱の割合でサンプル件数を左右する。
許容逸脱率とは、監査人が内部統制の有効性を認めるうえで受け入れられる、統制からの逸脱の割合である。この率を低く設定するほど必要なサンプル件数は多くなるため、サンプルサイズを決める際の指標として用いられる。試査は母集団の一部を抽出して全体を推し量る手法であり、その前提を理解しておく必要がある。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問57(IPA)解説で登場
業務部門が起票した入力原票を、情報システム部門でデータ入力する場合、情報システム部門の業務として、適切なものはどれか。
正解:業務部門が入力原票ごとの処理結果を確認できるように、処理結果リストを業務部門に送付する。
要点:入力代行では処理結果を起票部門に戻して照合させる
入力を代行する部門は、依頼元が処理結果を検証できるようにする責任がある。処理結果リストを業務部門へ返すことで、原票どおりに入力されたかを起票側が突き合わせて確認でき、内部統制上も適切である。入力代行部門が独断で原票を修正することは避けなければならない。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”における“ITへの対応”に関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:ITの統制は、ITに係る全般統制及びITに係る業務処理統制から成る。
要点:ITの統制はIT全般統制とIT業務処理統制の二つで構成
実施基準では、ITの統制はIT全般統制とIT業務処理統制の二つから構成されるとしている。IT全般統制はシステムの開発・保守、運用管理、アクセス管理など業務処理統制が有効に機能する環境を支えるもので、IT業務処理統制は個々の業務処理の正確性を確保するものである。なおIT環境には企業外部の状況も含まれ、手作業のみの内部統制が直ちに不備となるわけではない。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60(IPA)
金融庁"財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(令和元年)"における、内部統制に関係を有する者の役割と責任の記述のうち、適切なものはどれか。
正解:内部監査人は、モニタリングの一環として、内部統制の整備及び運用状況を検討、評価し、必要に応じて、その改善を促す職務を担っている。
要点:経営者が整備・運用の責任者、内部監査人は評価と改善促進
内部監査人は、モニタリングの一環として内部統制の整備状況と運用状況を独立した立場から検討・評価し、必要があれば改善を促す役割を担う。内部統制の整備と運用に最終的な責任を負うのは経営者であり、監査役等はその職務執行を監視・検証する立場にある。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 4. その他の法律・ガイドライン・技術者倫理 > (3) コンプライアンスに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。