ファストトラッキングとは?ふぁすとらっきんぐ
ファストトラッキングとは、本来は前工程の完了を待って始める作業を一部重ねて並行に進め、全体の期間を縮めるスケジュール短縮技法。要員や費用を追加せずに短縮できる可能性がある反面、前工程の成果が確定しないまま進むため手戻りのリスクが増える。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
納期が動かせない状況で工程が遅れたとき、取れる手は2つしかない——作業を重ねるか、資源を積むかである。前者がファストトラッキング、後者がクラッシングで、リスクと費用のどちらを差し出すかが違う。どちらを選ぶかは「金と時間とリスクのどれなら払えるか」の判断であり、記述式ではその理由まで説明させる。
具体例
詳細設計が全体として終わっていない段階で、仕様が確定した機能から順にプログラム開発へ着手する。確定していない部分に手を付けると設計変更がそのまま作り直しになるため、確定順に切り出せる設計かどうかが成否を分ける。
試験での引っ掛け
費用が増えるのがクラッシング、手戻りリスクが増えるのがファストトラッキング。いずれもクリティカルパス上の作業に適用しなければ全体工期は縮まず、短縮した結果として別の経路がクリティカルパスへ入れ替わることもある。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成30年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問51(IPA)解説で登場
プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。
正解:プロジェクトの外部から要員を調達し,クリティカルパス上の作業に投入する。
要点:クラッシングは資源追加で期間短縮する(コスト増を伴う)。
クラッシングは、クリティカルパス上の作業に要員や設備などの資源を追加投入して所要期間を短縮する方法である。作業の順序関係は変えずに済むが、コストが増加するという代償がある。作業を並行化して短縮するファストトラッキングとは手段が異なる。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)解説で登場
プロジェクトのスケジュールを短縮するために、アクティビティに割り当てる資源を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。
正解:クラッシング
要点:クラッシングは資源追加で期間短縮、ファストトラッキングは並行化で短縮
クラッシングは、要員などの資源を追加投入してアクティビティの所要期間を短縮する技法です。コストの増加を伴うため、最小の追加コストで最大の短縮が得られるアクティビティから適用します。作業を並行化して短縮するファストトラッキングとの違いを押さえることが要点です。
出典:令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問52(IPA)解説で登場
プロジェクトのスケジュールを短縮するために、アクティビティに割り当てる資源を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。
正解:クラッシング
要点:クラッシングは資源追加で作業期間を縮める短縮技法
クラッシングは、要員や設備といった資源を追加投入して個々の作業の所要期間を縮め、全体の期間を短縮する技法である。作業の順序は変えないので手戻りの危険は小さいが、その分コストが増える。順序を変えて作業を並行させるファストトラッキングとは、増えるのがコストかリスクかという点で対照的である。
出典:令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
プロジェクトマネジメントにおけるファストトラッキングの例として、適切なものはどれか。
正解:設計が終わったモジュールから順にプログラム開発を実施するようにして、スケジュールを短縮した。
要点:ファストトラッキングは工程を重ねて並行実施し期間を縮める
ファストトラッキングは、本来は順番に実施するアクティビティを一部重ねて並行実施し、スケジュールを短縮する技法である。設計が完了したモジュールから順に開発へ着手するのは、設計工程と開発工程を重ねる典型例である。ただし手戻りのリスクは増える。
出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)解説で登場
プロジェクトの期間を短縮する方法のうち,クラッシングに該当するものはどれか。
正解:プロジェクトの外部から要員を調達し,クリティカルパス上の作業に投入する。
要点:クラッシングは資源投入で期間短縮、ファストトラッキングは並行化
クラッシングは、要員の追加や残業などの資源投入によって、作業期間そのものを短縮する方法である。効果を出すには全体工期を決めているクリティカルパス上の作業に資源を投入する必要があり、コストは増加する。作業を並行させて期間を詰めるファストトラッキングとは区別される。
出典・参考
公式シラバスの5 プロジェクトマネジメント > 6. プロジェクトの時間 > (3) ツールと技法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。