スケールアップとスケールアウトとは?すけーるあっぷとすけーるあうと
スケールアップとスケールアウトとは、処理能力を増やす2つの向き。スケールアップは1台のCPU・メモリ・ストレージを増強する垂直方向の拡張で、アプリケーションを直さずに済む代わりに単体の上限と単一障害点が残る。スケールアウトは台数を並べる水平方向の拡張で、上限は緩い一方、状態をどこに置き負荷をどう振り分けるかを設計しておく必要がある。
最終更新:2026-10-06
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必要な能力を見積もって資源を用意するキャパシティプランニングでは、需要が読み切れないことが常に問題になる。過大に積めば遊び、過小なら性能要件を割る。台数で調整できれば需要へ追随できるが、そのためには前もってアプリケーション側を状態を持たない作りにしておかなければならない。増強の方向は運用に入ってからでは変えにくく、設計時点の判断になる——応用情報が理由まで説明させるのはこのためである。
具体例
Amazon EC2のようなIaaSでは、インスタンスタイプを一段大きいものへ変えるのがスケールアップ、オートスケーリンググループで台数を増減させるのがスケールアウトにあたる。状態を持たないWeb層は台数追加で素直に伸びるが、書込みが集中するRDBはノード間の整合性維持が難しく、まずスケールアップで凌ぎ、限界が見えてから読取り専用レプリカやシャーディングへ進む順序になる。
試験での引っ掛け
台数を2倍にすれば性能も2倍、とはならない。共有するデータベースやストレージ、ノード間の通信が律速となって増設効果は逓減し、直列部分が残る限りアムダールの法則が示す上限に頭を押さえられる。またセッション情報をサーバのメモリに持つ設計のままでは、振り分け先が変わった瞬間にログイン状態が失われるため、外部のキャッシュやDBへ出しておくことが前提条件になる。
関連用語
出た過去問
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問14(IPA)解説で登場
物理サーバのスケールアウトに関する記述として、適切なものはどれか。
正解:サーバの台数を増やして負荷分散することによって、サーバ群としての処理能力を向上させること
要点:スケールアウトは台数を増やして全体の処理能力を上げる
スケールアウトは、サーバの台数を増やして処理を分散させ、システム全体としての処理能力を高める手法である。1台の性能を上げるスケールアップと対比され、Webサーバのように負荷分散しやすい処理に適する。台数を増やすため可用性の向上にもつながる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問12(IPA)解説で登場
システムが使用する物理サーバの処理能力を、負荷状況に応じて調整する方法としてのスケールインの説明はどれか。
正解:システムを構成する物理サーバの台数を減らすことによって、システムとしてのリソースを最適化し、無駄なコストを削減する。
要点:スケールインはサーバ台数を減らす水平方向の縮小
スケールインは、負荷が下がったときにシステムを構成するサーバの台数を減らし、資源とコストを最適化することをいう。台数を増やす方がスケールアウトで、この2つは水平方向の増減である。これに対し、1台の性能自体を上げ下げするのがスケールアップ/スケールダウンで、垂直方向の調整にあたる。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問13(IPA)解説で登場
システムの性能を向上させるための方法として、スケールアウトが適しているシステムはどれか。
正解:参照系のトランザクションが多いので、複数のサーバで分散処理を行っているシステム
要点:スケールアウトは分散しやすい参照系処理に効果が高い
スケールアウトはサーバの台数を増やして処理能力を高める方法なので、処理を複数のサーバに分散できるシステムに向く。参照系トランザクションが多い処理は各サーバが独立に処理でき、更新の整合性を取る負荷も小さいため、台数増加の効果がそのまま現れる。逆に、逐次処理が必要な処理や更新の整合性維持が重い処理では効果が出にくく、スケールアップが適する。
出典:令和5年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問13(IPA)解説で登場
スケールインの説明として、適切なものはどれか。
正解:想定されるシステムの処理量に対して、サーバの台数が過剰なとき、サーバの台数を減らすこと
要点:台数の増減がスケールアウト/イン、性能の増減がスケールアップ/ダウン
スケールインは、処理量に対してサーバの台数が過剰になったときに台数を減らし、資源とコストの無駄をなくすことをいう。台数の増減で調整するのがスケールアウト/スケールインで、1台あたりの性能を増減させるのはスケールアップ/スケールダウンである。
出典・参考
公式シラバスの2 コンピュータシステム > 2. システムの評価指標 > (1) システムの性能特性と評価に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。