アローダイアグラムとは?あろーだいあぐらむ
アローダイアグラムとは、作業を矢線、作業の区切りとなる結合点を丸で表し、前後関係と所要日数を書き込んだネットワーク図。PERT/CPMで用いる。各結合点の最早結合点時刻と最遅結合点時刻を求めれば、全体の日数を決めている経路(クリティカルパス)と、各作業が持つ余裕日数(フロート)が機械的に求まる。
最終更新:2026-10-06
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工程を一覧表やガントチャートに並べただけでは、どの作業が遅れると全体が遅れるのかが読み取れず、遅延が出たときに要員をどこへ投じるべきか決められない。作業間の依存関係を線で明示し、完了日を支配している経路を1本に特定する——それが日程を短縮する投資先を選ぶ根拠になる。応用情報では日数計算に加え、短縮対象の選択まで問われる。
具体例
PERTは米海軍のポラリス潜水艦計画で、CPMはデュポン社の設備保全計画で実用化された。現在はMicrosoft ProjectやBacklogが依存関係からクリティカルパスを自動計算する。日程を詰めるときは、クリティカルパス上の作業のうち1日短縮あたりの追加費用が最も小さいものから手を付ける。
試験での引っ掛け
計算の向きと採る値を取り違えやすい。最早結合点時刻は開始側から前向きに求めて流入経路の最大値、最遅結合点時刻は終了側から遡って求めて流出経路の最小値を採る。破線のダミー作業は所要時間ゼロで順序関係だけを表し、作業ではないが経路計算には必ず含める。クリティカルパス上にない作業をいくら短縮しても全体日数は縮まない。
関連用語
出た過去問
出典:平成29年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)
次のプレシデンスダイアグラムで表現されたプロジェクトスケジュールネットワーク図を、アローダイアグラムに書き直したものはどれか。ここで、プレシデンスダイアグラムの…
正解:イ:Aの終了ノード(Cの開始ノード)から、Fの開始ノード(Dの終了ノード)へダミー作業(点線)が1本引かれている構成
要点:アローダイアグラムで追加の依存関係を表すときはダミー作業を使う
元のプレシデンスダイアグラムでは、作業FがDの完了に加えてAの完了にも依存している。アローダイアグラムでこの依存を表すには、Aの終了ノードからFの開始ノード(Dの終了ノード)へ向けてダミー作業を1本引けばよい。ダミーは所要時間ゼロで、順序関係だけを表す矢印である。
出典:平成29年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問52(IPA)
図のアローダイアグラムから読み取ったことのうち,適切なものはどれか。ここで,プロジェクトの開始日は0日目とする。
正解:作業Eの余裕日数は30日である。
要点:余裕日数は最遅結合点時刻から最早開始と所要日数を引いて求める
作業Eは最早で10日目に開始でき所要は10日だが、その先の合流点に許される最遅時刻は50日目である。したがってEには50−(10+10)=30日の余裕がある。クリティカルパスは所要日数の合計が最大となる経路で、全体は60日となる。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問52(IPA)
アローダイアグラムで表される作業A~Hを見直したところ、作業Dだけが短縮可能であり、その所要日数は6日に短縮できることが分かった。作業全体の所要日数は何日短縮で…
正解:3
要点:クリティカルパスを縮めると別経路が新たな制約になり短縮量は頭打ち
作業Dを含む経路が最長となっており、短縮前の全体所要日数は31日です。Dを10日から6日へ4日短縮すると、その経路は4日縮みますが、Dを通らない別の経路(A→C→F→H)が23日で残るため、全体は28日までしか縮みません。したがって短縮できるのは3日です。クリティカルパスを短縮すると別の経路が新たな制約になる点が要点です。
出典:平成31年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)
図のアローダイアグラムから読み取れることとして、適切なものはどれか。ここで、プロジェクトの開始日を1日目とする。
正解:作業Eの総余裕時間は30日である。
要点:総余裕時間=最遅開始時刻-最早開始時刻で求める
作業Bの10日とダミー作業により結合点1の最早開始は10日目時点となる。C(20日)とG(20日)を通る経路が最長で結合点5の最早は50、これがクリティカルパスになる。作業Eは最早開始が10、最遅開始は50-10=40なので、総余裕時間は40-10=30日となる。
出典:令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問52(IPA)
次のプレシデンスダイアグラムで表現されたプロジェクトスケジュールネットワーク図を、アローダイアグラムに書き直したものはどれか。ここで、プレシデンスダイアグラムの…
正解:A→Cの後の結合点からFの直前の結合点へダミー作業(破線矢印)が1本引かれ、A→C→E→G、B→D→F→Hがそれぞれ終了に合流するアローダイアグラム
要点:アローダイアグラムでは経路をまたぐ先行関係をダミーで表す
プレシデンスダイアグラムでは作業をノードで表すため、1つの作業から複数の後続へ分岐しても矢印を足すだけでよい。一方アローダイアグラムは作業を矢印、結合点をノードで表すので、他の経路にまたがる先行関係はダミー作業(破線)で表現する必要がある。ここではAの完了がC側の経路だけでなくFの開始条件にもなっているため、ダミー作業を1本だけ追加した図が正しい。
出典・参考
公式シラバスの5 プロジェクトマネジメント > 6. プロジェクトの時間 > (3) ツールと技法に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。