生産性(開発生産性)とは?せいさんせい
生産性(開発生産性)とは、投入した工数に対して得られる成果の量。開発では1人月あたりのステップ数やファンクションポイントで測る。要員を増やしても総量が比例して増えないのが要点で、相互の連絡経路がn人でn(n−1)/2通りと人数の2乗に近い勢いで増え、1人あたりの取り分を削っていく。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
見積りは「規模÷生産性=工数」で立てるため、生産性の数値に根拠が無ければ見積り全体が崩れる。しかも生産性は言語・業務領域・チームの習熟度で大きく変わり、他社の平均値をそのまま持ち込めない。だから自社の実績値を蓄積して使う——という考え方が、ファンクションポイント法などの規模見積り技法とセットで問われる。
具体例
1日8ページ書ける作業者が、総当たりの打合せに1組あたり0.5ページ分の時間を使うとする。5人なら1人あたり0.5×4=2ページ分を取られて6ページとなり、合計30ページ。人数を増やすほど1人あたりは6.5→6→5.5と落ちていく。
試験での引っ掛け
「人数を2倍にすれば生産量も2倍」は成り立たない。遅れている工程へ後から要員を足すとかえって遅れる(ブルックスの法則)のも、教育と連絡の負担がこの性質で増えるため。ステップ数で測ると、短く書けた優れた実装ほど生産性が低く見える逆転も起きる。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
システム開発における工数の見積りに関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解:COCOMOの使用には,自社における生産性に関する,蓄積されたデータが必要である。
要点:COCOMOは自社の生産性実績データがあって初めて使える
COCOMOは、規模から工数を推定する際に生産性や補正係数を用いるモデルである。この係数は組織ごとの実績に依存するため、自社の過去データを蓄積していないと精度のある見積りはできない。
出典:平成30年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
あるソフトウェア開発部門では、開発工数E(人月)と開発規模L(キロ行)との関係を、E=5.2L^0.98としている。L=10としたときの生産性(キロ行/人月)は…
正解:0.2
要点:生産性=開発規模÷開発工数。係数の逆数に注意する
L=10のときの工数はE=5.2×10^0.98である。10^0.98は約9.55なので、E=5.2×9.55=約49.7人月となる。生産性は開発規模÷工数なので10÷49.7=約0.20キロ行/人月である。5.2という係数に引きずられて逆数を取り違えないよう注意する。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54(IPA)
プログラムx, y, zの開発を2か月以内に完了したい。外部から調達可能な要員はA, B, Cの3名であり、開発生産性と単価が異なる。このプログラム群を開発する…
正解:3,600
要点:納期制約を満たせる要員を先に固定し、残りを単価で最適配分する
規模4キロステップのxは2か月以内に終える必要があるため、生産性2の要員(AかB)が担当しなければなりません。単価の安いBをxに充て(2か月×900=1,800千円)、残るyとzをA(1か月×1,000=1,000千円)とC(2か月×400=800千円)に割り当てると合計3,600千円となります。AをXに充てる案は3,700千円となり不利です。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)
あるシステムの設計から結合テストまでの作業について、開発工程ごとの見積工数を表1に、開発工程ごとの上級技術者と初級技術者との要員割当てを表2に示す。上級技術者は…
正解:4
要点:生産性差のある要員は上級者換算に直して期間を計算する
現状は、設計6人月÷2人=3か月、プログラム作成・単体テストは初級2人が上級1人分に相当するため実質3人月/月で12÷3=4か月、結合テスト12÷2=6か月の計13か月です。上級を1人ずつ加えると、設計6÷3=2か月、プログラム作成・単体テスト12÷4=3か月、結合テスト12÷3=4か月の計9か月となり、13−9=4か月短縮できます。
出典:令和7年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問53(IPA)
あるプロジェクトは4月から9月までの6か月間で開発を進めており、現在のメンバー全員が9月末まで作業すれば完了する見込みである。しかし、他のプロジェクトで発生した…
正解:450
要点:増員コストから離脱者の削減分を差し引いた差額が増加額
4人が8月から抜けるため、8月と9月の2か月分で4×2=8人月が不足する。さらに7月後半の0.5か月間は元のメンバー4人も開発作業をしないため4×0.5=2人月が失われ、合計10人月を増員メンバーで補う必要がある。増員メンバーは8月と9月の2か月働くので5人必要で、その人件費は引継ぎ0.5か月を含む2.5か月分×5人=12.5人月=1,250万円。一方、抜けた4人の8・9月分8人月=800万円が不要になるので、増加額は1,250−800=450万円である。
出典・参考
公式シラバスの9 企業と法務 > 3. 会計・財務 > (3) 財務諸表の分析に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。