エスカレーションとは?えすかれーしょん
エスカレーションとは、インシデントの重大性や影響範囲に応じて、現場の担当者から上位の管理者や専門チーム、経営層へ判断と対応を引き上げること。あらかじめ「どうなったら誰へ」という基準と連絡経路を定めておき、担当者の自己判断で抱え込ませないことが要点になる。
最終更新:2026-10-06
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事故対応で最も失われやすいのは初動の時間であり、その多くは「これは報告すべきことなのか」と現場が迷う間に過ぎていく。判断を個人の感覚に委ねると、報告が遅れて被害が広がるか、逆にすべてが上がって重大な事案が埋もれる。そこで基準と経路を先に決め、迷わず引き上げられる形にした。これは組織の手順の設計であり、技術的対策では代替できない。
具体例
不審なメールを受け取った担当者が自己判断で放置せず、定められた経路で上長と社内CSIRTへ報告する。CSIRTは被害の範囲に応じて経営層へ引き上げ、必要に応じてJPCERT/CCやIPAへの届出、監督官庁や取引先への連絡へ進む。
試験での引っ掛け
エスカレーションには、上位の役職へ上げる階層的なものと、より専門性の高い担当へ渡す機能的なものがある。またこれは責任の押し付けではなく、権限を持つ人に判断させる手順である。基準と連絡先が曖昧なまま「速やかに報告する」とだけ書いた規程は機能しない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問39(IPA)解説で登場
システム障害管理の監査で判明した状況のうち、監査人が監査報告書で報告すべき指摘事項はどれか。
正解:システム障害の種類や発生箇所、影響度合いに関係なく、共通の連絡・報告ルートが定められている。
要点:連絡・報告ルートは障害の影響度に応じて分けるべき
障害の種類・発生箇所・影響度に関係なく一律の連絡ルートしか定めていないと、重大障害でも経営層へのエスカレーションが遅れたり、逆に軽微な障害で過剰な連絡が行われたりする。影響度に応じた連絡・報告基準を設けるべきであり、監査人はこれを不備として指摘する。他の三つはいずれも望ましい統制が働いている状態である。
出典:平成30年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問42(IPA)
ITサービスマネジメントにおいて,一次サポートグループが二次サポートグループにインシデントの解決を依頼することを何というか。ここで,一次サポートグループは,イン…
正解:段階的取扱い
要点:上位・専門グループへの引継ぎが段階的取扱い
段階的取扱い(エスカレーション)は、対応中のインシデントを、より専門的な技能をもつグループや上位の権限をもつ者へ引き継ぐことをいう。一次サポートで解決できない場合に二次サポートへ依頼するのは、技能に基づく機能的エスカレーションに当たる。回避策は暫定的にサービスを回復させる手段、予防処置は発生を未然に防ぐ活動であり、いずれも引継ぎとは異なる。
出典:平成30年度 秋期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問43(IPA)
ソフトウェア開発プロジェクトにおいてWBS(Work Breakdown Structure)を使用する目的として,適切なものはどれか。
正解:作業を階層的に詳細化して,管理可能な大きさに細分化する。
要点:WBSは作業を階層分解し管理可能な単位に細分化する
WBSは、プロジェクトの成果物や作業を階層的に分解し、見積り・割当て・進捗管理ができる大きさのワークパッケージまで細分化する技法である。作業の抜け漏れを防ぎ、スコープを明確にする土台となる。順序関係やクリティカルパスを扱うのはアローダイアグラム、日程の可視化はガントチャート、費用と期間の最適化はクラッシングなどの日程短縮技法である。
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問42(IPA)
サービスデスク組織の構造とその特徴のうち,ローカルサービスデスクのものはどれか。
正解:サービスデスクを利用者の近くに配置することによって,言語や文化が異なる利用者への対応,専門要員によるVIP対応などができる。
要点:ローカル型は利用者の近くに置き現地事情に応じて対応する
ローカルサービスデスクは利用者と同じ拠点または近くに配置する形態で、言語や文化、現地事情に合わせた対応や、対面での支援、VIP対応などがしやすい。反面、拠点ごとに要員が必要で運用コストは高くなる。集中型やバーチャル型との特徴の違いを押さえたい。
出典:令和4年度 公開問題 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 問40(IPA)
ソフトウェア開発プロジェクトにおいてWBSを作成する目的として、適切なものはどれか。
正解:作業を、階層的に詳細化して、管理可能な大きさに細分化する。
要点:WBSは作業を階層分解し管理可能な単位にする
WBSは、プロジェクトの成果物や作業を階層的に分解し、見積りや進捗管理ができる大きさの作業単位まで細分化した構造図である。作業の漏れや重複を防ぎ、担当者の割当てや工数見積りの土台となる。日程や順序関係を表すのは別の技法であり、WBSはあくまで作業の分解が目的である。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 2 サービスマネジメントシステムの計画及び運用 > インシデント管理,サービス要求管理,問題管理に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。