ステートフルインスペクションとは?すてーとふるいんすぺくしょん
ステートフルインスペクションとは、パケットを1つずつ独立に判定するのではなく、コネクションの状態を表に保持し、その文脈で許可・拒否を決めるファイアウォールの方式。内部から始めた通信の戻りパケットだけを動的に通せるため、戻り用のポートを静的に開けておく必要がなくなる。TCPフラグの整合性も検査する。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
初期のパケットフィルタリングは1パケットずつヘッダだけを見るため、内部から出た通信の戻りを通すには高位ポートを広く開けるしかなく、その穴が外部からの侵入口になった。通信を一連のやり取りとして覚えれば、戻りだけを必要な間だけ通せる。設定を緩めずに実用性を確保するための方式で、現在のファイアウォールの標準になっている。
具体例
Linuxのnetfilter(iptables)でESTABLISHED,RELATEDの状態を許可する設定や、Cisco ASAの既定動作がこれにあたる。内部端末が外部の443番へ接続するとその組合せが状態表に登録され、対応する応答だけが通る。無通信が続くと表から消える保持時間も設定項目になる。
試験での引っ掛け
見ているのは主にヘッダとコネクションの状態で、通信内容の妥当性までは判定しない。許可された443番の中身で行われるSQLインジェクションのような攻撃は素通りするため、アプリケーション層を見るWAFや次世代ファイアウォールが別に要る。「状態を見る=中身を見る」ではない。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
ファイアウォールにおけるダイナミックパケットフィルタリングの特徴はどれか。
正解:戻りのパケットに関しては,過去に通過したリクエストパケットに対応付けられるものだけを通過させることができる。
要点:通信状態を記憶し対応する戻りだけを動的に許可
ダイナミックパケットフィルタリングは、通過した通信のセッション状態を記憶し、それに対応する戻りパケットだけを動的に通します。静的フィルタリングのように戻り用のポートを常時開けておく必要がないため、安全性が高くなります。ステートフルインスペクションとも呼ばれます。
出典:平成29年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問9(IPA)
ステートフルインスペクション方式のファイアウォールの特徴はどれか。
正解:パケットフィルタリングを拡張した方式であり,過去に通過したパケットから通信セッションを認識し,受け付けたパケットを通信セッションの状態に照らし合わせて通過させるか遮断するかを判断する。
要点:ステートフルインスペクションは通信状態を記憶して判断
ステートフルインスペクションは、パケットフィルタリングを拡張し、通過したパケットからTCPコネクションなどの通信セッションの状態を記憶する方式である。受け取ったパケットがその状態表と矛盾しないか(例えば内部から出た通信に対応する戻りのパケットか)を判断して通過可否を決めるため、戻り通信のために広くポートを開ける必要がない。
出典:平成30年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問6(IPA)解説で登場
ファイアウォールにおけるダイナミックパケットフィルタリングの特徴はどれか。
正解:過去に通過したリクエストパケットに対応付けられる戻りのパケットを通過させることができる。
要点:動的フィルタは往路を記憶し対応する戻りだけを通す
ダイナミックパケットフィルタリングは、通過した通信のセッション情報(送信元・宛先アドレスとポート、TCPの状態など)を表に記録し、それに対応する戻りパケットだけを動的に許可する方式である。ステートフルインスペクションとも呼ばれ、戻り用の高位ポートを静的に開けっ放しにする必要がないため、スタティックフィルタリングより安全性が高い。判断はヘッダ情報とセッション状態に基づく。
出典:令和元年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)解説で登場
ファイアウォールにおけるダイナミックパケットフィルタリングの特徴はどれか。
正解:過去に通過したリクエストパケットに対応付けられる戻りのパケットを通過させることができる。
要点:通過済み通信の戻りパケットだけを動的に許可する方式
ダイナミックパケットフィルタリングは、内部から外部へ出ていくコネクションの情報を状態表(ステートテーブル)として記録し、それに対応する戻りのパケットだけを動的に通過させる方式である。静的フィルタリングのように戻り用のポートを常時開けておく必要がないため、必要な穴を最小限にできる。ステートフルインスペクションとほぼ同義で語られる。
出典:平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問17(IPA)
ステートフルインスペクション方式のファイアウォールの特徴はどれか。
正解:パケットフィルタリングを拡張した方式であり,過去に通過したパケットから通信セッションを認識し,受け付けたパケットを通信セッションの状態に照らし合わせて通過させるか遮断するかを判断する。
要点:ステートフルインスペクションはセッション状態で通過可否を判断する
ステートフルインスペクションは、パケットフィルタリングを拡張し、通過したパケットからコネクションの状態(セッション)を記憶して管理する方式である。応答パケットが確立済みセッションに対応するかどうかを状態表と照合して判断するため、静的なフィルタ規則だけの場合より安全に戻りの通信を許可できる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。