パケットフィルタリングとは?ぱけっとふぃるたりんぐ
パケットフィルタリングは、通過する1つ1つのパケットについて、送信元・宛先のIPアドレスとポート番号、プロトコル種別、通信の向き、TCPフラグだけを見て通過か遮断かを判定する方式。処理が軽く高速で、ルータのアクセス制御リストとして実装できる反面、中身を解釈しないため、許可した通信に紛れ込む攻撃は素通りする。
最終更新:2026-10-06
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回線を流れるパケットを1つずつ人が見ることはできないし、中身まで解釈すれば処理が追いつかない。ヘッダの数フィールドだけで機械的に判定する割り切りは、この現実的な制約から生まれた設計である。軽さゆえに経路上のどこにでも置けることが利点で、後から状態を覚える方式やアプリケーション層で受ける方式が上に積み上がっても、粗い切り分けの層としては使われ続けている。
具体例
クラウドでも同じ考え方が使われており、AWSのネットワークACLはパケット単位で判定するステートレスな仕組みのため、往路を許可しただけでは復路が通らず、戻り用の規則を別に書く必要がある。一方セキュリティグループは接続の状態を覚えるので往路の許可だけで済む――この対比が、2つの方式の違いをそのまま示している。
試験での引っ掛け
1件ずつ独立に判定するので、応答として返ってきたパケットなのか一方的に送り込まれたものなのかを区別できない。そのため復路用に相手側の高い番号のポート宛てを広く開ける必要があり、そこが弱点になる。この点が、接続の状態を覚えるステートフルインスペクションとの決定的な違いである。また断片化されたパケットの2片目以降はポート番号を含まないため判定材料が欠け、そこを突く手口もある。
関連用語
出た過去問
出典:平成28年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
ファイアウォールにおけるダイナミックパケットフィルタリングの特徴はどれか。
正解:戻りのパケットに関しては,過去に通過したリクエストパケットに対応付けられるものだけを通過させることができる。
要点:通信状態を記憶し対応する戻りだけを動的に許可
ダイナミックパケットフィルタリングは、通過した通信のセッション状態を記憶し、それに対応する戻りパケットだけを動的に通します。静的フィルタリングのように戻り用のポートを常時開けておく必要がないため、安全性が高くなります。ステートフルインスペクションとも呼ばれます。
出典:平成29年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問9(IPA)
ステートフルインスペクション方式のファイアウォールの特徴はどれか。
正解:パケットフィルタリングを拡張した方式であり,過去に通過したパケットから通信セッションを認識し,受け付けたパケットを通信セッションの状態に照らし合わせて通過させるか遮断するかを判断する。
要点:ステートフルインスペクションは通信状態を記憶して判断
ステートフルインスペクションは、パケットフィルタリングを拡張し、通過したパケットからTCPコネクションなどの通信セッションの状態を記憶する方式である。受け取ったパケットがその状態表と矛盾しないか(例えば内部から出た通信に対応する戻りのパケットか)を判断して通過可否を決めるため、戻り通信のために広くポートを開ける必要がない。
出典:平成30年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問6(IPA)
ファイアウォールにおけるダイナミックパケットフィルタリングの特徴はどれか。
正解:過去に通過したリクエストパケットに対応付けられる戻りのパケットを通過させることができる。
要点:動的フィルタは往路を記憶し対応する戻りだけを通す
ダイナミックパケットフィルタリングは、通過した通信のセッション情報(送信元・宛先アドレスとポート、TCPの状態など)を表に記録し、それに対応する戻りパケットだけを動的に許可する方式である。ステートフルインスペクションとも呼ばれ、戻り用の高位ポートを静的に開けっ放しにする必要がないため、スタティックフィルタリングより安全性が高い。判断はヘッダ情報とセッション状態に基づく。
出典:令和元年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問5(IPA)
ファイアウォールにおけるダイナミックパケットフィルタリングの特徴はどれか。
正解:過去に通過したリクエストパケットに対応付けられる戻りのパケットを通過させることができる。
要点:通過済み通信の戻りパケットだけを動的に許可する方式
ダイナミックパケットフィルタリングは、内部から外部へ出ていくコネクションの情報を状態表(ステートテーブル)として記録し、それに対応する戻りのパケットだけを動的に通過させる方式である。静的フィルタリングのように戻り用のポートを常時開けておく必要がないため、必要な穴を最小限にできる。ステートフルインスペクションとほぼ同義で語られる。
出典:平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問17(IPA)
ステートフルインスペクション方式のファイアウォールの特徴はどれか。
正解:パケットフィルタリングを拡張した方式であり,過去に通過したパケットから通信セッションを認識し,受け付けたパケットを通信セッションの状態に照らし合わせて通過させるか遮断するかを判断する。
要点:ステートフルインスペクションはセッション状態で通過可否を判断する
ステートフルインスペクションは、パケットフィルタリングを拡張し、通過したパケットからコネクションの状態(セッション)を記憶して管理する方式である。応答パケットが確立済みセッションに対応するかどうかを状態表と照合して判断するため、静的なフィルタ規則だけの場合より安全に戻りの通信を許可できる。
出典・参考
公式シラバスの3 技術要素 > 5. セキュリティ実装技術 > (4) ネットワークセキュリティに掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。