フォールトトレランスとは?ふぉーるととれらんす
フォールトトレランスとは、一部に故障が生じてもシステム全体としては機能を維持し続けられるよう、冗長構成をあらかじめ備える設計思想。多数決による三重系(TMR)、待機冗長、二重化などの実現方式がある。どこまで冗長にするかは、停止による損失と冗長化の費用を比べて決める設計判断であり、全構成要素へ一律に適用するものではない。
最終更新:2026-10-06
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部品が壊れないようにする努力には限界があり、稼働時間が延びれば故障は必ず起きる。壊れないことを前提にするのをやめ、壊れても業務が続く構造をあらかじめ作り込むという発想の転換がこの思想である。単一障害点をどこに残すかという問いに置き換わるため、可用性要件を構成へ翻訳する場面でそのまま使う。
具体例
航空機の飛行制御や鉄道の信号システムでは、3系統の演算結果を多数決回路で照合し、1系統が異常値を出しても正しい結果を出し続ける構成が採られる。業務システムではロードバランサ配下の複数台構成、データベースの同期レプリカ、可用性ゾーンをまたぐ配置がこれにあたる。
試験での引っ掛け
故障時に機能を縮退させながら運転を続けるのはフェールソフト、安全側に停止させるのはフェールセーフ、誤操作を受け付けない設計はフールプルーフである。「機能を維持する」のか「安全に止める」のかで区別する。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成29年度 秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問8(IPA)解説で登場
フェールセーフの考えに基づいて設計したものはどれか。
正解:交通管制システムが故障したときには、信号機に赤色が点灯するようにする。
要点:フェールセーフは故障時に安全な状態へ倒す設計
フェールセーフは、故障や異常が起きたときにシステムを安全側の状態へ倒す設計思想である。交通管制システムが停止した際に信号を赤にすれば、車両は停止し衝突の危険が下がるため、まさに安全側への縮退に当たる。誤操作を物理的に防ぐフールプルーフや、冗長化で機能を維持するフォールトトレランスとは区別する。
出典:令和3年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問10(IPA)解説で登場
JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル)で規定された品質副特性の説…
正解:中断時又は故障時に、製品又はシステムが直接的に影響を受けたデータを回復し、システムを希望する状態に復元することができる度合い
要点:回復性は信頼性の副特性で復旧のしやすさを表す
JIS X 25010の信頼性には、成熟性・可用性・障害許容性(フォールトトレランス)・回復性の四つの副特性がある。中断や故障の際に影響を受けたデータを復旧し、システムを望む状態に戻せる度合いは回復性であり、信頼性に分類される。
出典:令和3年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問23(IPA)
フォールトトレランスに関する記述のうち、適切なものはどれか。
正解:フォールトトレランスの実現方法として、システム全体の二重化がある。
要点:フォールトトレランスは冗長化により故障時も機能を維持する
フォールトトレランスは、構成要素に故障が生じてもシステム全体としては機能を維持し続ける性質であり、その代表的な実現手段が装置やシステム全体の二重化などの冗長化である。故障時に安全側へ倒すフェールセーフや、機能を縮退させて継続するフェールソフトも、故障への対処という点でこの考え方の枠内で扱われる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。