特許法(職務発明・先願主義)とは?とっきょほう・しょくむはつめい・せんがんしゅぎ
特許法(職務発明・先願主義)とは、新しい技術のアイデア(発明)を独占的に使える権利を、国に出願して認めてもらう制度を定めた法律です。守られるのは自然法則を使った技術上の工夫で、権利は出願から20年で切れます。同じ発明を二人が思いついた場合は、先に出願したほうが権利を得ます(先願主義)。仕事の中で社員が生んだ発明は職務発明と呼ばれ、あらかじめ社内の規程で決めておけば会社のものになり、代わりに社員へ報奨金などの相当の利益を支払う、という形が一般的です。会社に入るときの誓約書に発明の扱いが書かれているのは、この規程のためです。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
技術のアイデアは、公開されれば誰でも真似できてしまうため、そのままでは開発費をかけた企業ほど損をします。かといって秘密にし続けると、その技術は社会に共有されません。特許制度は、内容を公開させる代わりに一定期間の独占を認めるという取引で、この対立を調停する仕組みです。先願主義も同じ発想で、誰が先に思いついたかは証明が難しく争いが長引くため、出願という誰にでも確認できる事実で順番を決めています。職務発明の規程が会社にあるのは、社員の発明という個人の成果と、設備や給与を出した会社の貢献のあいだで、あらかじめ争いの種を消しておくためです。
具体例
トヨタは2019年に、ハイブリッド車などの電動車に関する特許およそ2万3,740件について、実施権を無償で開放すると公表しました。特許は「他社に使わせない」ためだけの道具ではなく、あえて開放して仲間を増やし、その技術を市場の標準にするという使い方もできる、という例です。取った特許をどう使うかまでが経営判断になります。
試験での引っ掛け
「先に発明した人が勝つ」と書いた選択肢が定番の誤りです。日本の特許は「先に出願した人」が勝ちます(先願主義)。もう一つ、著作権との違いがよく問われます。著作権は作品を作った時点で自動的に発生し、手続きは要りません。これに対して特許権は、出願して審査を受けて登録されてはじめて発生します。「発明したのに出願していない」状態では権利はありません。保護される期間も、特許は出願から20年、著作権は原則として著作者の死後70年と大きく違います。
関連用語
出た過去問
出典:平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問9(IPA)
インターネットを利用した企業広告に関する新たなビジネスモデルを考案し、コンピュータシステムとして実現した。この考案したビジネスモデルを知的財産として、法的に保護…
正解:特許法
要点:ITで実現したビジネスの仕組みは特許法(ビジネスモデル特許)で保護
特許法は、自然法則を利用した技術的思想の創作である発明を保護する。ビジネスの方法自体は発明に当たらないが、それをコンピュータやネットワークを使って具体的に実現した仕組みは「ビジネスモデル特許」として特許の対象になり得る。本問はシステムとして実現しているため特許法による保護が適切である。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問11(IPA)
インターネットを利用した新たなビジネスモデルを保護する法律はどれか。
正解:特許法
要点:インターネットのビジネスモデルを守るのは特許法
インターネットを使った新しい商売の仕組みは、コンピュータやネットワークを用いた技術的な仕掛けを伴う発明として扱われ、いわゆるビジネスモデル特許として特許法の保護対象になり得る。著作権法は表現を、意匠法はデザインを、商標法は商品やサービスの目印を守る法律で、仕組み(アイデアの技術的実現)そのものは守らない。
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問27(IPA)
ビジネスモデル特許として、特許法に基づく特許権が認められる対象となるものはどれか。
正解:顧客の要望に合わせてPCをカスタマイズできる、ITを利用した新たな受注の仕組み
要点:ビジネスモデル特許はITで実現した新しい業務の仕組み
ビジネスモデル特許は、事業の方法そのものではなく、ITを用いてその方法を実現する技術的な仕組みが、自然法則を利用した新規かつ進歩性のある発明といえる場合に認められる。注文の受け方という業務手順をITと結び付けた新しい仕組みは、この対象になり得る。
出典・参考
公式シラバスの1 企業と法務 > 4. 知的財産権 > (2) 産業財産権関連法規に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。