変動費率とは?へんどうひりつ
変動費率とは、売上高に対して変動費が占める割合で、変動費÷売上高で求める。売上が1円増えたときに費用が何円増えるかを表し、1から変動費率を引いた値が限界利益率になる。損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)という式に使うため、値引きをすると変動費率が上がり、赤字を脱するのに必要な売上高も上がる関係が問われる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
費用を「売上に連れて増えるもの」と「売上に関係なく毎月かかるもの」に分けると、いくら売れば赤字を脱するのかを式で出せるようになる。売れた分だけかかる仕入原価や材料費が前者、家賃や正社員の給与が後者にあたる。この分け方があるからこそ、値引きの是非や、売上が伸びたときに利益がどう動くかを事前に計算でき、勘ではなく数字で判断できる。損益分岐点の計算問題はこの考え方を試している。
具体例
1個1,000円で売る商品の仕入原価が600円なら変動費率は0.6、限界利益率は0.4になる。家賃と人件費などの固定費が月200万円なら、損益分岐点売上高は200万円÷0.4で500万円である。1割値引きして900円で売ると、変動費率は600÷900で3分の2(約0.67)へ上がり、限界利益率は3分の1に下がる。損益分岐点売上高は200万円÷3分の1で600万円となり、値引き前より100万円多く売らなければ赤字を脱せない。
試験での引っ掛け
変動費率と限界利益率の取り違えが定番で、この2つを足すと1になる。また変動費率は率なので、値引きや仕入価格の変更が無ければ売上高が変わっても一定であり、変動費の金額そのものとは違う。固定費は総額が変わらない一方、売上1個あたりで見れば売れるほど小さくなる点も混同しやすい。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問6(IPA)
企業の売上高、固定費及び変動費が分かっているとき、損益分岐点比率、損益分岐点売上高及び変動費率は、それぞれ次の式で求めることができる。これらの式から言える適切な…
正解:損益分岐点比率が低いほど、売上に対する利益は多くなる。
要点:損益分岐点比率は低いほど利益が厚く不況に強い
損益分岐点比率は損益分岐点売上高を実際の売上高で割った値で、売上がどこまで落ちても赤字にならないかを示す。この比率が低いほど実際の売上が損益分岐点から離れており、その差額の分だけ利益が大きくなる。逆に比率が高いほど利益は薄く、不況への抵抗力も弱いことになる。
出典:平成24年度 春期 ITパスポート試験 問5(IPA)解説で登場
次の損益計算資料を基に算出した損益分岐点の売上高は何百万円か。
正解:1,600
要点:損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(1-変動費率)
変動費は変動製造費1,400+変動販売費600=2,000百万円なので、変動費率は2,000÷4,000=0.5、限界利益率は1-0.5=0.5となる。損益分岐点売上高は固定費÷限界利益率で求められ、800÷0.5=1,600百万円である。この売上高でちょうど固定費を回収し、利益がゼロになる。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問93(IPA)
〔中問C〕売上高の損益分析に関する次の記述を読んで答えよ。 部品メーカに勤めるAさんは、材料費などの変動費と人件費などの固定費を把握し、表計算ソフトを活用して、…
正解:A5*B$1+B$2
要点:複写でずらしたくない参照は絶対参照にする
総費用は「売上高×変動費率+固定費」で求められる。この式を下の行へ複写しても、変動費率と固定費が入っているセルは常に同じ位置を参照し続ける必要があるため、行番号に絶対参照を付ける。売上高は行ごとに変わるので相対参照のままにしておく。この使い分けが表計算の要点である。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問94(IPA)解説で登場
〔中問C・ストラテジ〕図1のセルB17に損益分岐点を求める計算式を入力する。セルB17に入力する計算式として、適切なものはどれか。
正解:B2/(1-B1)
要点:損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)
損益分岐点の売上高では、売上高が変動費と固定費の合計に等しくなる。売上高をSとすると S=S×変動費率+固定費 であり、これを整理するとS=固定費÷(1−変動費率)となる。分母の(1−変動費率)は売上のうち固定費の回収に充てられる割合(限界利益率)を表す。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問95(IPA)
〔中問C・ストラテジ〕売上高が3,000千円以上で赤字にならないようにしたい。変動費率を0.60と仮定した場合、固定費の上限は何千円か。
正解:1,200
要点:限界利益(売上×限界利益率)が固定費の負担上限
変動費率0.60なら、売上のうち固定費の回収に使える割合(限界利益率)は1−0.60=0.40である。売上高3,000千円のときの限界利益は3,000×0.40=1,200千円となり、固定費がこれを超えると赤字になる。したがって赤字にならない固定費の上限は1,200千円である。
出典・参考
公式シラバスの1 企業と法務 > 3. 会計・財務 > (1) 会計と財務に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。