インシデント管理とは?いんしでんとかんり
インシデント管理とは、サービスの停止や品質低下(インシデント)が起きたときに、合意した時間内でできるだけ早く通常のサービスへ戻すことを目的とする運用プロセス。根本原因の究明よりも復旧を優先し、再起動や代替手段といった暫定的な回避策で戻しても構わない。原因の追究は問題管理へ引き継ぐ。
最終更新:2026-10-10
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障害のたびに原因が判明するまで復旧を待っていては、その間ずっと業務が止まる。利用者にとっての損害は「原因が不明なこと」ではなく「使えないこと」なので、まず使える状態に戻す役目と、二度と起こさないために調べる役目を別のプロセスに分けた。これがITサービスマネジメントの基本的な整理で、ITパスポートでは問題管理との目的の違いとして繰り返し問われる。
具体例
経費精算システムが昼前から応答しなくなった際、サービスデスクが利用者からの連絡を受け付け、担当者がサーバを再起動して午後の利用を再開させる。なぜ応答しなくなったのかの調査は、復旧させたあとに別途行う。
試験での引っ掛け
インシデント管理の目的は「早期復旧」、問題管理の目的は「根本原因の除去と再発防止」で、優先するものが違う。原因が分からないまま回避策で復旧させても、インシデント管理としては正しい対応であり、「原因を特定してから復旧すべき」とする選択肢が引っ掛けになる。
関連用語
出た過去問
出典:平成21年度 秋期 ITパスポート試験 問31(IPA)
サービスデスクがシステムの利用者から障害の連絡を受けた際の対応として、インシデント管理の観点から適切なものはどれか。
正解:システム利用者の業務の継続を優先し、既知の回避策があれば、まずそれを伝える。
要点:インシデント管理は原因究明より業務復旧を最優先する
インシデント管理の目的は、利用者の業務への影響を最小限に抑え、できるだけ早くサービスを回復させることである。したがって原因の究明よりも復旧を優先し、既知の回避策があればまずそれを案内する。原因の特定と恒久対策は、別プロセスである問題管理が担う。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問40(IPA)
システムの運用管理におけるインシデント管理の目的として、適切なものはどれか。
正解:サービスの中断時間を最小限に抑えて速やかに回復し、サービスの品質を維持する。
要点:インシデント管理は原因究明より早期復旧を優先する
インシデント管理の目的は、サービスの停止や品質低下が起きたときに、その影響と中断時間をできるだけ小さく抑えて速やかに通常のサービスへ戻すことにある。根本原因の究明は問題管理、構成要素の把握は構成管理、変更の確実な実施は変更管理、単一窓口の役割はサービスデスクが担う。
出典:平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問33(IPA)
出典:平成22年度 春期 ITパスポート試験 問48(IPA)
ITサービスにおいて、問題が発生したときの解決プロセスにはインシデント管理と問題管理がある。インシデント管理の説明として、適切なものはどれか。
正解:発生した問題によって生じたサービスの低下や停止から、可能な限り迅速にサービスを復旧させる。
要点:インシデント管理は原因究明より迅速な復旧
インシデント管理の目的は、利用者へのサービス影響をできるだけ早く取り除き、通常のサービス水準へ復旧させることである。根本原因の究明よりも復旧の速さを優先し、暫定的な回避策で対応することもある。原因の追究と恒久対策は問題管理の役割で、両者は目的が明確に分かれている。
出典:平成23年度 秋期 ITパスポート試験 問35(IPA)
ITサービスマネジメントが担う情報システムの管理作業のうち,システムの不具合の暫定的な回避策を実施し迅速な復旧を行うプロセスはどれか。
正解:インシデント管理
要点:インシデント管理は暫定策でもよいので迅速に復旧させる
インシデント管理は、サービスの中断や品質低下が起きたときに、業務への影響を最小限に抑えて一刻も早くサービスを回復させることを目的とするプロセスである。そのため恒久的な解決より、暫定的な回避策(ワークアラウンド)による復旧を優先する。根本原因を突き止めて再発を防ぐのは問題管理の役割で、両者は目的が異なる。
出典・参考
公式シラバスの6 サービスマネジメント > 29. サービスマネジメントシステム > (1) サービスマネジメントシステムの概要に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。