段取り時間(順序づけ問題)とは?だんどりじかん
段取り時間(順序づけ問題)とは、ある仕事から次の仕事へ移るとき、治具(加工する物を固定する道具)の取替えや機械の設定変更のために発生する準備時間。加工そのものの時間と違って仕事の順序で総和が変わるため、どの順に流すかが生産計画の要点になる。n個の仕事を一度ずつ行うなら段取りはn−1回発生する。試験では、仕事間の段取り時間を表(行が前の仕事、列が次の仕事)で示し、合計が最小になる並びを探させる。表の値が対称でない場合、a→bとb→aで時間が違う点に注意が要る。
最終更新:2026-10-10
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工場では、同じ機械で違う種類の仕事を続けると、そのたびに道具の付け替えや設定の変更が必要になり、その間は何も作れない。加工の時間は順番を変えても同じなのに、この準備の時間だけは並べ方で合計が変わる。無駄な待ち時間を減らすため、どの順に流せば準備が最小になるかを考える必要が出てきた。
具体例
3つの仕事a〜cを1台の機械で一度ずつ行う場合、段取りは2回発生する。段取り時間がa→b 3時間、b→a 1時間、a→c 1時間、c→a 2時間、b→c 2時間、c→b 2時間だとすると、並べ方は6通りあり、合計はa→b→c 5時間、a→c→b 3時間、b→a→c 2時間、b→c→a 4時間、c→a→b 5時間、c→b→a 3時間となる。最小はb→a→cの2時間で、a→bとb→aで2時間も違うため、片方向だけ見ると取り逃す。
試験での引っ掛け
段取りの回数を仕事の数と同じn回と数える誤りが定番で、正しくはn−1回である。また表を対称と思い込んで片方向しか見ないと最小解を取り逃す。加工時間はどの順でも変わらないので、比較すべきは段取り時間の合計だけという点も押さえる。
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問7(IPA)
ある部品の生産ラインは二つの工程A,Bの順で構成されており、各工程の機械台数、部品1個の生産に要する作業時間、不良率は表のとおりである。1日の稼働時間を10時間…
正解:171
要点:直列工程の生産能力は前工程の良品数がボトルネックになる
稼働時間10時間は600分。工程Aは1台で1個3分なので600÷3=200個を処理でき、不良率5%を除くと良品190個が工程Bへ送られる。工程Bは1個2分で600分あれば300個まで処理できるため能力に余裕があり、受け取った190個が制約となる。ここから不良率10%を除くと190×0.9=171個が最終的な良品数となる。
出典:平成30年度 春期 ITパスポート試験 問25(IPA)解説で登場
出典:令和6年度 秋期 ITパスポート試験 問41(IPA)
あるプロジェクトの作業間の関係と所要時間がアローダイアグラムで示されている。このアローダイアグラムのBからEの四つの結合点のうち、工程全体の完了時間に影響を与え…
正解:C
要点:最早と最遅の差が最大の結合点が最も遅らせられる
各結合点の最早開始時刻(前の作業が済んで最も早く始められる時刻)と最遅開始時刻の差(余裕時間)を求めて比較します。最早はA=0、B=15、C=10、D=25、E=40、完了=55となり、最遅から逆算するとB=15、C=25、D=30、E=40です。Dからは D→F(20)と D→E(10)の二つの作業が出るので、最遅は55−20=35と40−10=30の小さいほうの30になります。差を取るとBとEは0、Dは5、Cは15となり、余裕が最も大きいのはCです。したがって、Cから始まる作業を最も遅らせても全体の完了時間は変わりません。
出典:令和7年度 秋期 ITパスポート試験 問11(IPA)解説で登場
スマートファクトリーにおいても使用されている、FMS(Flexible Manufacturing System)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:複数の工作機械や産業用ロボットなどを有機的に結合し、生産プロセス全体を統括的に制御・管理する。
要点:FMSは機械群を統合制御し多品種少量生産に対応する仕組み
FMS(フレキシブル生産システム)は、NC工作機械(数値の指示で自動で動く工作機械)や産業用ロボット、無人搬送車などをコンピュータで結び付け、生産工程全体を統括して制御する仕組みである。段取り替えを自動化できるため、多品種少量生産にも柔軟に対応できる点が「フレキシブル」の由来である。スマートファクトリーでもこの考え方が土台になっている。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。