入退室管理(アンチパスバック)とは?にゅうたいしつかんり(あんちぱすばっく)
入退室管理(アンチパスバック)とは、サーバ室や書庫のような重要な部屋への出入りを、ICカードや生体認証(指紋や顔など体の特徴で本人を確かめる方法)で記録し、許可された人だけを通す仕組み。誰がいつ入っていつ出たかが記録として残るので、事故が起きたときに範囲を絞れる。アンチパスバックはその制御の1つで、「入った記録がない人の退室」や「出た記録がない人の再入室」を拒否する仕掛け。入室後にカードを外の人へ渡す又貸しを防げる。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
パスワードや暗号をどれだけ厳しくしても、機器やバックアップの媒体そのものを持ち出されれば中のデータは一緒に持ち去られる。そこで、重要な部屋への出入りを許可された人だけに限り、誰がいつ入って出たかを記録として残す物理的な対策が必要になった。ところが記録を取るだけでは、入室した人がカードを外の人へ渡す又貸しを防げない。入室記録のない人は出られない、退室記録のない人は入れない、という条件を付けてこの抜け道をふさいだのがアンチパスバックである。試験で対策の名前と防げる範囲の組合せが問われるのは、1つの対策で全部が防げるわけではないからである。
具体例
さくらインターネットは、データセンターへの入館に事前申請と本人確認、扉の入退室管理を行っていることを公表している。この方式では、入館者Aがカードで入室した後、外にいるBへカードを渡しても、Aの退室記録がない以上Bは入室できない。あわせて、前の扉が閉まらないと次の扉が開かない二重扉(マントラップ)や監視カメラを組み合わせることで、正規の入室者のうしろに続いて一緒に入る「共連れ」も抑止する。
試験での引っ掛け
アンチパスバックが防ぐのは主にカードの又貸しであり、共連れ(正規の入室者に続いて一緒に入る)そのものは防げない。共連れにはマントラップや監視、1人ずつしか通れないゲートが必要で、両方をアンチパスバックだけで説明する選択肢は誤り。またクリアデスク・クリアスクリーン(机上に書類を放置しない、離席時に画面を施錠する)は入退室管理とは別の対策なので、名前と対策内容の組み合わせを入れ替えた出題に注意する。あわせて、物理的対策(部屋や機器を守る)・技術的対策(パスワードや暗号など仕組みで守る)・人的対策(教育や規則で人の行動を守る)の区分も合わせて押さえる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問40(IPA)解説で登場
コンピュータシステムが稼働しているサーバ室への侵入リスクを低減するために、コンピュータの設置場所を示す標識を出さないことにした。この対策が当てはまるマネジメント…
正解:ファシリティマネジメント
要点:サーバ室の物理的セキュリティ対策はファシリティマネジメント
ファシリティマネジメントは、建物・設備・執務環境といった施設面を最適に維持管理する活動で、入退室管理や監視カメラ、サーバ室の所在を目立たせないといった物理的セキュリティ対策もこれに含まれる。標識を出さないのは、侵入者に場所を知らせないための施設面の対策である。
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問57(IPA)
生体認証による入退室管理システムに全社員を登録し、社内の各部屋に入室を許可する社員を設定した。退室は管理していない。a〜dの記述のうち、この入退室管理システムで…
正解:a, c
要点:退室を記録しなければ滞在時間も在室人数も分からない
このシステムは入室時の認証だけを行い、退室は記録していない。したがって、許可された社員だけを入室させること(a)と、認証に失敗して拒否された社員を記録すること(c)は実現できる。一方、滞在時間(b)や現在の在室人数(d)は、退室の記録がないと求められない。
出典:平成26年度 秋期 ITパスポート試験 問80(IPA)解説で登場
物理的セキュリティ対策の不備が原因となって発生するインシデントの例として、最も適切なものはどれか。
正解:第三者がサーバ室へ侵入し、データを盗み出す。
要点:物理的対策の不備は入室・持出しによる盗難を招く
物理的セキュリティ対策とは、施錠や入退室管理、監視カメラなど、人や物の物理的な接近を制限する対策を指す。したがって、部外者が実際にサーバの設置場所へ立ち入って情報を持ち出す事故は、この対策の不備が原因となる典型例である。
出典:平成27年度 秋期 ITパスポート試験 問40(IPA)解説で登場
ITを利用するオフィスの施設管理の目的には,コスト削減や快適性,安全性,機密性の確保などがある。安全性の確保に関する施策として,最も適切なものはどれか。
正解:耐震対策や避難通路の確保
要点:安全性は災害対策、機密性は入退室管理と対応させる
施設管理でいう安全性の確保は、地震や火災といった災害から人と設備を守ることを指す。耐震対策や避難通路の確保がこれにあたる。省電力機器はコスト削減、什器や照明の整備は快適性、入退室管理は機密性の確保に対応する。
出典・参考
公式シラバスの9 技術要素 > 63. 情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術 > (1) 情報セキュリティ対策の種類に掲載されている用語です。
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。