事業部制とは?じぎょうぶせい
事業部制は、会社の中を製品別・地域別・顧客(市場)別などの単位に分け、それぞれの事業部が開発・生産・販売といった仕事をひととおり自前で持ち、利益にも責任を負う組織の形。事業部ごとに判断できるので市場の変化に素早く対応でき、将来の経営者を育てやすい。一方で、どの事業部にも同じような部署や設備ができて重複し、自分の事業部の利益を優先して会社全体の得にならない判断をしやすい。ITパスポートでは、組織図や説明文から「どの組織形態か」を選ぶ形で繰り返し出題されている。
最終更新:2026-10-10
この語が出る過去問を解く →背景
会社が一つの製品だけを作っていた頃は、開発・製造・営業のように仕事の種類で部署を分ける職能別組織で十分だった。製品や販売地域が増えると、何か決めるたびに本社の各部署へ話を通す必要が生じ、判断が遅くなった。そこで、製品や地域ごとにまとまりを作り、その中で判断と利益の責任を完結させる形が生まれた。
具体例
パナソニック(当時の松下電器産業)は1933年に、製品ごとに事業部を置く事業部制を日本でいち早く取り入れた会社として知られる。ラジオ・ランプ・電池などの製品ごとに、作ることから売ることまでを各事業部に任せ、それぞれが利益を出せているかで評価する仕組みにした。
試験での引っ掛け
職能別組織(開発・製造・営業など仕事の種類で分ける)と混同しないこと。事業部制は「製品・地域ごとに分け、それぞれが機能を一通り持つ」点が特徴である。マトリックス組織は職能と事業(プロジェクト)の二つの軸で指揮を受けるため、一人に上司が二人いる形になり、命令が食い違いやすいのが短所。カンパニー制は事業部制をさらに進め、事業ごとに資本金を割り当てるなど、独立した会社に近い扱いにした形である。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成21年度 春期 ITパスポート試験 問29(IPA)
経営組織のうち、事業部制組織の説明はどれか。
正解:製品や市場ごとに社内組織を分割し、利益責任単位として権限と目標が与えられる。
要点:事業部制は製品・市場別に分け利益責任を負わせる組織
事業部制組織は、製品別・地域別・市場別などに社内を分け、それぞれの事業部が生産から販売まで一貫した権限をもち、利益責任単位(プロフィットセンタ)として業績を問われる形態である。職能で分けるのは職能別組織、二つの指揮系統に所属するのはマトリックス組織である。
出典:平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問21(IPA)
図によって表される企業の組織形態はどれか。
正解:事業部制組織
要点:事業部制は事業ごとに機能を重複して持ち独立採算で運営する
事業部制組織は、製品や地域などの単位で事業部を設け、それぞれが研究開発・生産・販売といった機能を自前で持って独立採算的に運営する形態である。図では事業ごとに同じ機能部門が重複して置かれており、これは事業部制の典型的な特徴である。機能を全社で一本化する職能別組織とは対照的で、意思決定は速いが機能の重複によるコスト増が生じやすい。
出典:平成25年度 春期 ITパスポート試験 問22(IPA)
事業部制組織を説明したものはどれか。
正解:利益責任と業務遂行に必要な職能を、製品別、顧客別又は地域別にもつことによって、自己完結的な経営活動が展開できる組織である。
要点:事業部制は製品・顧客・地域別に利益責任と職能をもつ組織
事業部制組織は、製品別・顧客別・地域別などに事業部を設け、それぞれが開発から販売までの職能と利益責任を併せ持つ形態である。事業部長に権限が委ねられるため意思決定が速く、独立採算に近い自己完結的な運営ができる点が特徴となる。
出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問26(IPA)解説で登場
職能別組織を説明したものはどれか。
正解:業務を専門的な機能に分け、各機能を単位として構成する組織
要点:職能別組織は専門機能ごとに部門を分けた組織
職能別組織は、製造・営業・経理・人事のように業務の専門的な機能ごとに部門を分けた組織形態である。専門性を高めやすく重複が少ない反面、部門間の調整が必要になり、利益責任は各部門ではなく全社に置かれる。事業単位で利益責任をもつのは事業部制、縦横二重の指揮系統をもつのはマトリックス組織で、それぞれ別の形態である。
出典:平成28年度 秋期 ITパスポート試験 問25(IPA)解説で登場
図によって表される企業の組織形態はどれか。
正解:職能別組織
要点:機能ごとに部門を分けるのが職能別組織
研究開発・製造・販売・総務人事・経理財務といった仕事の機能(職能)ごとに部門を置き、それぞれが社長の直下に並ぶ形は職能別組織である。専門性を高めやすい一方、部門をまたぐ調整は経営層に集中しやすい。事業部制なら製品や地域といった事業単位で部門が分かれる。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。