乗法定理とは?じょうほうていり
乗法定理とは、事象AとBが両方とも起こる確率を、P(A かつ B) = P(A) × P(B|A) と掛け算で求める確率の定理。P(B|A) は「Aが起きたという条件のもとでBが起こる確率」(条件付き確率)を表す。AとBが互いに影響しない(独立な)ときは P(B|A) = P(B) となり、単純に P(A) × P(B) になる。「または」の確率を足し算で求める加法定理と対で問われ、ベイズの定理もこの式を変形して導かれる。
最終更新:2026-10-10
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「両方起こる確率」を素直に掛け算すると、1つ目の結果が2つ目の起こりやすさを変える場面で答えが狂う。くじを引いて戻さない、1台目が止まると2台目に負荷が寄る、といった場面である。そこで「1つ目が起きたあとの世界での2つ目の確率」を掛けると決めておけば、独立でも独立でなくても同じ1本の式で扱える。システムの稼働率の計算で装置ごとの稼働率を掛けてよいのも、装置どうしが独立だと仮定しているからである。
具体例
10本中3本が当たりのくじを、引いたくじを戻さずに2人が続けて引くとき、2人とも当たる確率は、1人目が当たる確率 3/10 に、残り9本中2本が当たりの状態で2人目が当たる確率 2/9 を掛けて 6/90 = 1/15 になる。くじを毎回戻すなら2回目も 3/10 のままなので、3/10 × 3/10 = 9/100 になり、答えが変わる。IPA の基本情報技術者試験は科目Aと科目Bの両方が基準点に達して合格になるので、仮に科目Aが基準点に届く確率を0.6、届いた人が科目Bも届く確率を0.5とすれば、合格の確率は 0.6 × 0.5 = 0.3 と乗法定理で表せる。
試験での引っ掛け
独立でない事象に P(A) × P(B) をそのまま使う誤りが最も多い。「戻さずに引く」「前の結果を受けて」と書かれていたら、2つ目の確率は条件付きで考え直す。また「独立」と「排反(同時には起こらない)」は別物で、排反なら P(A かつ B) = 0 になり掛け算にはならない。「AまたはB」を問われたら加法定理 P(A) + P(B) − P(A かつ B) の側であり、掛け算ではない。
関連用語
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。