多重度とは?たじゅうど
多重度とは、関連の一方のインスタンス1つに対して、相手側のインスタンスが何個対応し得るかを表す指定。UMLでは「1」「0..1」「1..\*」「\*」などと書く。1対多か多対多かがそのまま外部キーの置き場所と連関実体の要否を決めるため、概念データモデルから関係スキーマへ変換する際の判断材料になる。
最終更新:2026-10-06
この語が出る過去問を解く →背景
業務の記述は「社員は組織に所属する」のように関連の有無しか語らず、1人が複数の組織を兼務できるのか、組織に社員が0人でもよいのかは書かれていない。この曖昧さを残したままテーブルを起こすと、兼務が発生した時点で設計をやり直すことになる。個数と最小の下限を明示する記法を関連線に添えることで、業務ルールをモデルの上で確定させる。試験では記述式の穴埋めで多重度そのものが問われる。
具体例
「社員は必ず1つの組織に所属し、組織には社員が0人以上所属する」なら、関連線の組織側の端に1、社員側の端に0..\*と書く。この多重度なら社員表に組織コードを外部キーとして持たせるだけで表現できる。
試験での引っ掛け
UMLの多重度は関連線の端ごとに書き、その値は「相手1つに対して、その端のインスタンスが何個対応するか」を表す。書く位置と読む向きを取り違えると1対多が丸ごと逆転する。兼務を認めない業務なら組織側の端は1で、ここが1..\*になった瞬間に多対多となり、連関実体(所属表)が必要になる。
関連用語
出た過去問
問題文で直接問われたものと、解説の中で触れられたものが含まれます。
出典:平成28年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問1(IPA)解説で登場
UMLを用いて表した商品と倉庫のデータモデルに関する記述のうち、適切なものはどれか。ここで、商品の倉庫間の移動はないものとする。
正解:1種類の商品を二つの倉庫に初めて入庫すると、“在庫商品”データが2件追加される。
要点:在庫商品は商品と倉庫の組合せごとに1件識別される
このモデルでは“在庫商品”が商品と倉庫の組合せごとに1件存在する。商品側から見た多重度は1対1..*、倉庫(格納先)側から見た多重度は1対0..*なので、同じ商品でも格納先の倉庫が違えば別の“在庫商品”になる。したがって1種類の商品を二つの倉庫へ初めて入庫すれば、“在庫商品”は2件生成される。
出典:平成30年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15(IPA)解説で登場
B+木インデックスとビットマップインデックスを比較した説明のうち、適切なものはどれか。
正解:少数の異なる値をもつ列への検索は、ビットマップインデックスの方が有効である。
要点:値の種類が少ない列にはビットマップインデックスが有効
ビットマップインデックスは、列がとり得る値ごとに行の該当有無をビット列で表す方式である。値の種類(カーディナリティ)が少ないほどビット列の本数が少なく済んで効率がよく、性別や区分コードのような列に向いている。
出典:令和4年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問2(IPA)
社員と年との対応関係をUMLのクラス図で記述する。二つのクラス間の関連が次の条件を満たす場合、a、bに入れる多重度の適切な組合せはどれか。ここで、"年"クラスの…
正解:a=0..*、b=1
要点:UMLの多重度は相手1つに対する自分の個数を表す
UMLでは関連端に付けた多重度が「相手1つに対して自分がいくつ対応するか」を表す。すべての社員に入社年が1つ定まるので年の側は1、ある年に入社した社員は0人のこともあれば複数のこともあるので社員の側は0..*となる。よってイの組合せが正しい。
出典:令和6年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6(IPA)解説で登場
階層構造をもつ組織と、従業員の組織への所属を表すUMLのクラス図のうち、"従業員は組織階層中のどの組織にも所属できるが、兼務はしない"とするものはどれか。
正解:選択肢エ:組織(下位*、上位0..1の自己再帰)が従業員と「所属する」関連(1対*)を持つ。上位組織・末端組織の汎化は無し。
要点:兼務なしは従業員側から組織への多重度1で表す
「どの組織にも所属できる」とは、末端の組織に限らず階層のどのノードにも従業員が結び付けられるということなので、従業員は上位・末端を区別しない組織クラスそのものと関連を持つ必要がある。また「兼務はしない」は、従業員1人から見た所属組織が1つであることを意味し、従業員側から組織への多重度が1になる。階層は組織クラス自身の再帰関連(上位0..1、下位は複数)で表す。この3点を満たす図が正解である。
出典・参考
解説は資格暗記が独自に作成しています。過去問の出典は各問題に記載のとおりです。